2005年6月16日木曜日

火村の研究 - 有栖川有栖「朱色の研究」

 本日も雨模様。

 昨夜はうっかりして「Happy Together」を観逃し、FMの名古屋ストリングスを録り逃し、そして深夜のコンフェデ杯ドイツ・オーストラリア戦をも寝ブッチするという、散々な夜。

 先日早稲田大で学会の折、早稲田通り沿いの古本屋にて50円で発見したのがこれ。

朱色の研究 有栖川有栖
 火村・有栖コンビの「マレー鉄道の謎」の一つ前の長編。題名の出典であるC.ドイル「緋色の研究」を読んだのが余りに昔なので、どの程度の本歌取りになっているのかは不明。内容は有栖川氏には高いレベルを期待してしまうためか、論理の切れ味に物足りなさを感じます。ただ、主人公の魅力で読むタイプの人には、犯人との対決シーンや、火村自身の過去に言及のある点など、重要度が高い作品かも。また、このやや奇妙なプロットにも少し納得が行きませんが、飛鳥部勝則氏の巻末解説(角川文庫版)の様に、すごーく穿った見方をする人には、たまらないかもしれません。ただ、そういったある意味カフカ的(?)内容を万人に納得させる筆力は、まだ著者には無い気はしますが…。

 やはり火村モノは今ひとつ自分には合わないようです。

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