2005年9月26日月曜日

大野&ベルギー王立歌劇場管 マーラー5番

 今日は月曜だからマジック減りませんね。本日もかなり肌寒い一日。2日連続で大野&モネ管を聴きに出かけました。自分の中ではまだ夏なので半袖短パンですが、気がつけば周りは長袖やジャケット、おまけにマフラー(!)までいました。

9月26日(月) オペラシティ
 大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管 ブースマンス 歌曲集、マーラー Sym5番
Pブロックで聴いた昨日は弦が弱いと感じましたが、今日は舞台から遠めの右サイドで聴いたせいか、弦がよく鳴ってました。特にチェロが強奏時に存在感がありました。また昨日はピアニシモに拘る指揮者だと感じましたが、ヴァンスカのようにいつでも、と言う訳では無いらしく、マーラーではポイントとなる数箇所のみぐっと抑えており、しかも余り上手くいってませんでした。氏のマーラーは大きくテンポをいじる訳では無いのですが、個々の旋律を表情たっぷりに奏するので、毒は感じませんが起伏はあります。第2楽章中間あたり、弦とHrを中心としたうねりはかなりの迫力でした。また本日の白眉は第4楽章、Vnの旋律の最初の3音で既にただならぬ雰囲気を醸し出し、以降これでもか、というくらいの耽溺的な解釈。オケもしっかりそれについてきており、これだけ大甘な演奏を聴いたのは初めてです、いい意味で。そして終楽章クライマックス、ブラスの迫力とその後の追い込みの凄みも十分で、かなり良かった昨日を上回る満足度の演奏会でした。満場の拍手に応え、何と第4楽章をもう一回。美味しいところをもう一度、というのは昨夜と同じパターンです。

 ああっ!夜中にコレ更新してたらフジの「スパイ2/7」見逃してしまった…。

2005年9月25日日曜日

表情豊かな優男 - 大野&ベルギー王立歌劇場管 ボレロ、 シェエラザード

(前記事の続き)
 新宿でのイベントから湘南新宿ラインでみなとみらいへと移動して聴いたのは、大野和士の凱旋公演です。氏の指揮はFMやCSのオンエアで気になってはいたのですが、実演で聴くのは初めて。

9月25日(日) みなとみらいホール
 大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管 ラヴェル ラ・ヴァルス、シェエラザード、ボレロ、 リムスキー=コルサコフ シェエラザード
 木管群は味がありますが、オケは余り機能的でない感じ。ただ、大野氏の棒の下、非常に統率の取れたラヴェルを聴かせてくれました。弱いかな、と感じた弦も、ボレロの後半などかなりのボリューム。大野氏は弱音の精妙さに拘るタイプのようで、かなり無茶な要求にもクラリネット、フルート奏者(特に後者は大変)が見事に応えていました。特に、オケの真中に配した小太鼓で始まるボレロの開始は経験したことの無いピアニッシモ。2名のSaxは(たぶん)現地調達のエキストラ、実演ではプロでもよくトチるTbのソロは完璧、ラストでのTpのハイトーンはピッコロ使用でした。後半のシェエラザードは、Tp,Tbにもう少しパワーが欲しい気はしましたが、大野氏の表情豊かな解釈がなかなかで、特に3楽章が魅力的でした。ただ、音の強弱のコントロールは自在にやっていましたが、旋律の歌い回しまでは完全に思い通りにはなっていない印象だったので、更に良くなる余地があると感じました。伸びやかなVnソロを披露したコンミス(?)が若くてビックリでした。アンコールは何とシェエラザードの第3楽章をもう一度。

 初めて見る大野氏は優男風で、いかにもバーンスタインが好みそうな感じ(やや偏見)。心なしか、指揮ぶりも大植英次と共通するものを感じました。明日のマーラーも期待です。

青春の一頁 - 水越けいこ

 阪神マジック3です! 昨日の野口みずきはさすがでしたね。今夜はブラジルGP、コースが通常と逆周りなのは、南半球だから?渦と同じでコリオリのせい?な訳無いですね。

 本日は台風一過のすっきり天気、とはいかず、終日20度前後の肌寒い一日。朝方は雨が残っていたためテニスを中止してちょっと失敗でした。

 夕方のみなとみらいの前に少し時間があったので、青春の一頁、水越けいこをHMVのインストアイベントで聴きました。観客の年齢層が自分同様高めなのがちょっと気になりました(笑)。外見こそ20年分の年輪を刻んでらっしゃいましたが、曲と歌声は昔のままでした。今の世の中、70年代フォーク調の曲が受け入れられるのかは不安ですが。

 イベント途中、後ろ髪を引かれる思いでHMV新宿を出たのが3時10分。便利になったもので、湘南新宿ライン→みなとみらい線と乗り継ぎ、みなとみらいホール4時開演に間に合いました。シェフをつとめる歌劇場を引き連れての大野和士の凱旋公演です。氏の指揮はFMやCSのオンエアで気になってはいたのですが、実演で聴くのは初めてです。(続きは次の記事で)

2005年9月24日土曜日

興奮のボレロ - 藤崎&オーケストラ エレティール

 阪神マジック減ったでしょうか。(←4です!) 台風の影響で一日不順な天気。深夜零時に24度くらいあったのに、日中はそれより冷え込みましたから、今日も最高気温が午前0時に記録される一日になりそうです。

 雨で午前中のテニスは流れ、午後はアマオケを聴いてきました。ドビュッシー2曲、ラヴェル2曲という地味めのプログラムです。

9月24日(土) ティアラこうとう
 藤崎凡指揮オーケストラ エレティール ドビュッシー 夜想曲、海、ラヴェル ラ・ヴァルス、ボレロ
エレティールは1988年に電通大の卒業生を中心に結成されたオケです。やや非力な弦ながら、ドビュッシーでは美しいい弱音のハーモニーを聴かせてくれました。地味めなプログラム構成に加え、メインが「ボレロ」とは大変です。有名な曲ですが、ソロの連続で奏者への精神的負担が大きく、労多くして実り少なし、となりがちで、アマオケでは余り採り上げません。特にトロンボーン吹きにとって、真ん中辺りのソロは憧れでありかつ拷問でもあります。その問題のボレロ、前半の木管のソロがどれも見事で、特にソプラノSaxが素敵でした。その後紆余曲折を経て、最後のクライマックス、これは見事に決まりました。その興奮度はこれまで聴いたどのプロの演奏よりも上だった程です。ただ、これで燃え尽きたのか、はたまたオケの方針なのか、アンコールはありませんでした。

 明日もボレロを聴いてきます。みなとみらいで、大野和士の凱旋公演です。テニスはまたお流れかも(涙)。

2005年9月20日火曜日

メータ&バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯

 阪神連敗しちゃいました。マジックは8のまま。この2日間の試合内容は本日の気温と同様お寒いもの、そのせいか風邪をひいてしまい、喉が痛いです。家では下着一丁でごろごろして、気が付いたら朝になっているという自堕落な生活をしていますが、それでも夏場に風邪をひいたなんて記憶に有りません。今朝かなり冷え込んだんでしょうか。

 ほぼひと月半ぶりに海外オケを聴いてきました。メータ指揮するオールR.シュトラウスプロ。メータのR.シュトラウスと言うと、ロスフィルとの「英雄の生涯」での伸びやかで豪快な表現が、デッカ特有の強調気味の重低音と相俟って強い印象があります。ただCD化されてすっかり音が変わってしまい残念です。

9月20日(火) サントリーホール
 ズービン・メータ指揮バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯
オケはあまり上手くないと思うのですが、管はそれぞれに味があるし、弦はよくまとまっていて、全体として統一感があります。そのため、散見するミスも余り気になりません。メータの指揮は余り細かい指示はせず流れを大切にする感じで、ある程度オケの自発性にゆだねつつ、要所で見得を切る、といったスタイルで、それがこのオケとよくマッチしていました。全体としてロスフィルとの頃とは別の意味での伸びやかさを感じました。ドン・ファンでは芝居っ気は少なめな気がしましたが、ティル、英雄の生涯と、どんどんその度合いは増えて、なかなか効果的でした。アンコールは何とJ.シュトラウスの「こうもり」。普通の人には最高のアンコールですけれど、個人的にはサロメか薔薇の騎士あたりを期待していただけに、ちょっと残念。

 メータを聴くのは5度目くらいですが、初めて納得の行く演奏会でした。やはり来週のマーラー3番も聴きたくなってきました。

2005年9月17日土曜日

剛毅なドビュッシー - 藤原亜美さんのピアノ

 今夜はお月さんが綺麗です。中秋の名月?いや晩夏の名月です。今日も30度には届きませんでしたが、昨日よりは暖かく、日差しも強め。テニスの後はグロ氷を食べました。お店のおじさんによると、先月下旬にTV東京「でぶや」に出たとのこと。石塚さんは礼儀正しい方でした、と言ってました。元祖でぶやHPでチェックしたら、確かに8月19日放送分のバックナンバーに出てました。

 カキ氷の後は渋谷タワーのインストアイベント、藤原亜美さんのピアノです。ドビュッシーの前奏曲集から数曲を弾いてくれました。ドビュッシーと言うと、水彩画や点描画のようなもやもやとしたイメージを持ってましたが、彼女の演奏は一画一画を明瞭に刻み込む感じで、迫力すら覚えました。

2005年9月11日日曜日

驚速テンポ - 長田&東京楽友協会響 ローマの噴水、チャイコフスキー4番

 いやあ、みなさんのお陰で阪神6ゲーム差です。本日は午前中テニス、午後はアマオケ、と典型的な休日のパターン。とは言え、8月下旬以降、帰省や出張でバタバタしていたので、コンサートは久し振りです。

9月11日(日) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮東京楽友協会交響楽団 リムスキー=コルサコフ スペイン奇想曲、レスピーギ ローマの噴水、チャイコフスキー Sym4番
このオケを聴くのは3、4度目くらい、今回はアマオケには珍しく対向配置を取っており、弦バスは左手後方にいました。今日は管楽器セクションがムラのない出来で、特にHrがよく鳴ってました。トレヴィでの迫力も印象に残りましたが、何と言っても、スペイン奇想曲の終曲やチャイコフスキーの終楽章など、長田氏特有の驚速テンポにオケが一丸となってついってるのは見事でした。熱狂のクライマックスの後は、地味めのアンコール「モスクワ河の夜明け」でした。

 テニスしている頃は30度を超す陽気でしたが、コンサートの途中休憩時、冷房を逃れようと外に出るとかなり強い雨。終演後は小降りになってましたが、雨とともに気温が8度ほど一気に低下しました。明日は試合なので、気温は上がって欲しいところです。また今夜のスパからのF1中継、選挙の影響(←間違いでした、世界柔道の影響(絶句))で放送開始が3時くらいに。その前に仮眠を取らないと、1、2時間睡眠で試合に出かけることになりそう…。

2005年9月1日木曜日

16歳の夏 - 乙一「夏と花火と私の死体」

阪神ついに崖っぷちです。涼しかった昨日に比べ、今日は真夏日の陽気、でも33度超えの大阪には遠く及ばない感じです。

 大阪出張からの帰り道、大垣駅前の本屋さんで買った乙一の伝説のデビュー作を読みました。

夏と花火と私の死体 乙一
 「平面いぬ」「ZOO」など、いまや飛ぶ鳥をも落とす勢いの著者の、何と16歳時に書かれた作品とのこと。計算されたサスペンス、巧みなプロット、斬新な語り口など、とても16歳の手になるとは思えません。ま、勿論、予備知識無しに読めば、ちょっとした佳品、といったレベルなのかもしれませんけれど。また僕が感じたことは、基本的には巻末の小野不由美氏の解説(集英社文庫版)に語り尽くされています。併録の「優子」は後年の作品なのか、文章がずっとこなれていますが、プロット的にはまあ、普通かなという印象です。