2006年7月30日日曜日

イシイ=エトウ&ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラのショスタコーヴィチ5番

 M.ウィーはまたも残念でした。ちょっと太めになりましたけど。ハーツクライも残念でした。一時は直線でいった!と思いましたけど。今夜はこれからK1札幌大会、昨年より「原点回帰、実力主義」を標榜してきたのにPRIDEの放送をやめた途端、そちらのイロモノ路線を引き継いだマッチメークには少しげんなりですが、まあ、マトモな試合もありますので。

 本日はそこそこ晴れ、ついに梅雨明けとのこと、ただ気温は低めで30度弱。午前テニス、午後コンサートと典型的な休日パターン。テニスの後にグロ氷を食べに行ったらお店が閉まってました。こんなことは初めて。老夫婦だったから店じまいしたのかも、だとするとショック…。その近くのコンビニに寄りシャビ乳でガマン。

 午後は久しぶりに人見記念講堂でのコンサート、初めて聴くユースオケで、住友商事が支援する常設オケとののこと。ただ今回はキンボー・イシイ=エトウ(彼を聴くのも初めて)を招いて行ったサマーキャンプの打ち上げ演奏会の趣。

7月30日(日) 人見記念講堂
 キンボー・イシイ=エトウ指揮ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ チャイコフスキー 白鳥の湖、ショスタコーヴィチ Sym5番
 メンバーは見た感じ大学生から高校生あたりが主力。最初の一音から弦セクションの伸びやかな音に驚かされました。木管のソロも達者、金管の響きも柔らかいのに迫力があり、想像よりずっと上手でした。音大のオケの印象に近いです。白鳥の湖から8曲抜粋した組曲は、次から次へと大迫力の盛り上がりで、こりゃショスタコは凄いことになるかも、と思いましたが、曲想の違いか、少し息切れしたのか、それ程でもありませんでした。
 イシイ=エトウのショスタコは全体的には余りクセが無くシャープな響きで進めてゆく印象でしたが、時たま個性的な表現も混じります。2楽章でのポルタメントっぽい節回し(やや大袈裟)と、終楽章のコーダ界隈、ちょっと変わったところでに急に減速したり、最後の一音を異常なまでにケレン味たっぷりのクレッシェンドで終えたりしたあたりが印象的。ただ彼の指揮、拍は比較的しっかり振るのですが、個々の奏者へのキューは少なめだったので、出損なってしまうパートが少しありました。アンコールは特に無し、会場の大喝采の割には淡々と帰り支度を始めていました。

2006年7月23日日曜日

コバケン炸裂のマーラー1番 - 三矢幸子&小林研一郎&江戸川フィルハーモニーオーケストラ

 本日も曇り&低めの気温。今日のアマオケは迷った挙句マーラーに行くことにしましたが、出掛ける段になって時間帯が重なっていないことに気付きました。が、ちょっと手遅れ。日曜のアマオケは昼下がり、と勝手に思い込んでいたのが間違いの元。

 ともあれ、夕方開演だったマーラーは余裕で聴けました。たぶん初めてのホールに初めてのアマオケ。創立20周年記念で初めてのマーラーに挑戦とのこと。今年4度目のコバケンですが、指揮するのは後半のマーラーのみで、前半は違う指揮者、という変わったコンサートです。

7月23日(日) 江戸川区総合文化センター
 三矢幸子&小林研一郎指揮江戸川フィルハーモニーオーケストラ バッハ VnとObのための協奏曲、シューベルト 未完成、マーラー Sym1番
 最初はバッハなのに何故か大編成(Tbなんて4本!)、あれ、と思っていると指揮者無しで知らない小曲が、江戸川区の区歌とのこと。コバケンの「巨人」は少なくとも2度聴いてますが、前回の日フィルとの演奏に比べると最初の2楽章はやや淡白な感じ、反面、両楽章ともラストのアッチェレランドはより激しくなってました。第3楽章の前、チューニングの間にコバケンがお客さんに向かい「もう少し静かに」という意の異例のコメント。そして自らの説教で気合が入ったのか、第3楽章以降は身振りも唸り声も倍増し、演奏も更にノリがよくなりました。特に終楽章冒頭から中盤までのブラスの鳴りはハンパじゃ無い豪快さ。ラストは若干息切れしましたが、弦・木管もかなり鳴ってましたし、全体としては期待通りの豪演でした。
 ラストのHrが立つ部分ではベルアップのみ、そしてコーダでいきなりブラス全員起立、というパフォーマンスは前回の日フィルと似た演出。アンコールは例によってコーダをもう一度、休憩した分、ブラスの鳴りは本番よりこっちの方が良かったかも。

2006年7月21日金曜日

プチ科学ミステリー - 東野圭吾「探偵ガレリオ」

 本日も雨がちで終日20度前後、真夏日が当然の季節にこの気温は寒いです。

 今日も最近読んだ本から。東野圭吾の「容疑者xの献身」が昨年度のベストミステリーとの評価を得、それを読む時に備え、シリーズ第1作を古本屋で見つけ次第購入しておいたもの。

探偵ガレリオ 東野圭吾
 天才科学者(?)湯川が、友人の持ち込む数々の難事件に挑む連作短編集でその後シリーズ化。中には巧みなミスディレクションのある作もありますが、基本的には事件ごとの科学的な種明かしがポイントで、それにほほう、と感心するか否かで評価が違いそう。研究者サイドから見ると肝心の科学ネタに不正確なものもあり、著者の水準作より落ちると感じました。

 主人公湯川のモデルとされる佐野史郎が巻末解説を書いてる(文春文庫版)のが気が利いてます。確か「秘密」でも主人公を演じた広末涼子が書いていたような。

2006年7月20日木曜日

乙一流ゴーゴン - 乙一「平面いぬ。」

対巨人、雨で1試合しか出来なかった割には予定通り貯金を1つ増やして上々の前半戦終了。またディープインパクト、世界ランク1位とは壮挙です。もしかして凱旋門賞の中継があるかも。

 何とか天気は持ちましたが、前線が南下したことからも分かる通り気温はかなり低め。雨で流れるごとに試合開始時間が10時→9時→8時と早まり、今朝は5時前に起きて出陣する羽目に。第1シードに1時間でシバかれ、お昼には職場復帰。本日のお小遣いは1,700円、この3日間の交通費の5分の1にも満たない額ですが、久し振りなのでちょっと嬉しいかも。

 この3日間でかなり本は読めました。その中から1冊。

平面いぬ。 乙一
 天才の第3作品集、短編を4つ収録、例によってホラーからファンタジーまでいろいろですが、どちらかというと「せつない系」が主体。唯一ミステリー仕立てになっている「石ノ目」が個人的にはお気に入り。「はじめ」は映像化にぴったり。また、勘が鈍くて「平面いぬ。」は泣きそびれました。

2006年7月17日月曜日

祝祭のマーラー - 金洪才&市川交響楽団のマーラー2番

あちゃー、阪神さすがに3タテは無理でした。まあ、2勝1敗でよしとしましょう。またフランスGP、アロンソしぶと過ぎます。シューが差を全然詰められません。

 今日は雨、気温も終日25度弱と低め、午前のテニスはキャンセルで、午後にアマオケへ。節目でマーラーを取り上げる市民オケで、今回は創立55周年とのことです。

7月17日(月・祝) 市川市文化会館
 金洪才指揮市川交響楽団 マーラー Sym2番
このオケでマーラーを聴くのはたぶん3度目、うち金洪才は3番に続き2度目。氏のマーラーはクセが無い代わり、遅めのテンポで各フレーズをじっくり歌わせる感じで、全パート穴が無いこの老舗オケがそれにしっかり応えてました。特にクライマックスは8本のTpと11本のHrがよく鳴って、なかなかに壮大な響きでした。また、通常チューブラー・ベルを使いそうなところ、3つの大きな鐘(カリヨン?)を使っており、その荘厳な響きが効果的でした。

 このオケ、地域振興を意識し「クラシック音楽をより多くの市民に」をモットーにしてるだけあって、全てのコンサートは無料、楽章の途中でも入場可、そして長い曲の場合は途中休憩、という方針のようです。今回は第2楽章の後(第1楽章の後では無く!)に15分休憩が入りギョッとしました。

2006年7月13日木曜日

全曲版、2年連続 - 沼尻&日フィル ダフニスとクロエ

昼過ぎまで晴れてましたが、夕方から少し雨。気温は余裕で30度超、お昼休み外へ出た際、身体にねっとりとまとわりつく真夏の空気感を今年初めて楽しみました。

 今日は日フィルのコンサート、一昨日に続き知人からの頂き物、有難い事です。「ダフニスとクロエ」の全曲版を生で聴くのは初めてです。

7月13日(木) サントリーホール
 沼尻竜典指揮日フィル 邦人現代曲、ラヴェル ダフニスとクロエ<全曲>
ダフニスとクロエの全曲は3部構成でトータル50分程、第3部がお馴染みの第2組曲に対応、長丁場も退屈せず楽しめました。1、2部は初めての生なので標準的な演奏と比べてどうなのかは判りませんが、100人を超す合唱、ウィンドマシーンや舞台裏から聴こえる種々の楽器と相俟って、スケールの大きな響きが聴けました。茶髪のHrトップが難しいパッセージを無造作にこなしていたのが印象的。一方聴きなれた第3部、クライマックスはなかなかの迫力でしたが、夜明けの部分の響きに壮大さが足りない気がしました。

 日記を振り返ってみたら、丁度一年前にも同じコンビで「邦人作品初演&舞踊音楽全曲版初体験」というパターンがあったことを思い出しました。

2006年7月11日火曜日

コバケンの幻想再び - 小林研一郎&ハンガリー国立フィルの幻想

出張中に阪神が連敗してるのでは、と不安でしたが、どうやら無難に勝ったり負けたりしていた模様。でも中日との差が開いてるのは何故?向こうは連勝してるらしい。

 帰りの飛行機でも映画を2本観ましたが、驚いたのは音楽chで去年聴きに行ったサンティ&PMFの「ローマの祭」のライブ音源をやっていたこと。また出張による最大の痛恨事は9日のメルクル&国立音大のマーラー3番を聴けなかったことです。

 大量に溜まったメールを整理してる中に、今日のコバケン&ハンガリー国立フィルのお誘いを発見! 速攻連絡を取り、何とか間に合って、いざ出陣。この前聴いた日フィルとの幻想の爆発度は低かっただけに、今回に期待。例によって記事だけ作っておきます。

 翌日に続きを書いてます。いやあ、色んな意味でコバケンが爆裂した夜でした。

7月11日(火) サントリーホール
 小林研一郎指揮ハンガリー国立フィル エグモント、シベリウス Vn協奏曲、幻想Sym
エグモントはそれなりの印象でしたが、シベリウスで既に木嶋真優のソロが無い部分では相当開放的にオケを鳴らしてました。その傾向は期待通り幻想で炸裂、弦のクセのあるアクセント、木管の思いっきりのいい吹きっぷり、金管のベタ吹き(特にHr)など、ここまでやればあっぱれ。クライマックスは見事な大噴火でした。3ヶ月前の日フィルと何でこうも変わるんでしょう?コバケンの要求を少々やり過ぎ、と思ってもその通りにやれる奏者の国民性、若しくは指揮者に対する信頼度の違い、なんでしょうか。
 アンコールは十八番のダニー・ボーイ、ハンガリー舞曲(第5番?)、幻想のラスト30秒、と続き、その間にいつもの口上、ハンガリー語に関する小ネタ、仕上げにスタンディング・オーベーションの強要、と続くコバケンのフルコース、良くも悪くもコバケン節炸裂の一夜でした。

 このコンビ、過去2度聴いた公演は1勝(サン=サーンス3番)1敗(マーラー5番)でしたが、これで2勝1敗です。

 ちなみにこの夜のチケット、日頃クラシックとは無縁のテニスの先輩から回ってきたもの。先輩のテニス仲間がコバケンの知り合いらしく、S席を5枚いただいたとのことで、殆どがサントリーホールは初めての面々、4人ともシベリウスもベルリオーズも初めてなのに、いたく感動していました。僕の隣に座ったのはタレントの菊川怜さんのお父さん、彼とは一度テニスをご一緒した程度の知り合いですけれど。