2006年11月25日土曜日

テミルカーノフのショスタコーヴィチ5番、そして爆裂アンコール

 すっきりと見事に晴れました。そのせいで今季初のマイナスの冷え込み。午前中はテニス、午後はみなとみらい→サントリーと移動してコンサートのハシゴ、ショスタコとR.シュトラウスです。

 テミルカーノフ&サンクトペテルブルクフィルのコンビ、もう7、8回は聴いてますが、真っ先に聴いていそうなショスタコの5番は何故か初めてです。

11月25日(土) みなとみらいホール
 ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルクフィル リャードフ キキモラ、チャイコフスキー Vn協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
 最初のリャードフは前半静かで後半ダイナミックな構成。続くチャイコフスキーでは、冒頭の表情豊かな入りと終楽章の激しい部分での弦からは過去に同曲で聴いたことのないぞくっとする凄みを感じました。そして今日もレーピンはデカイ音でした。旧レニングラードフィルは伝統の対向配置で弦バスは左手奥、そして金管が右端に固まってます。昨夜はサントリーのRAブロックだったのでブラスは全て死角、そのせいか響きの迫力が今ひとつだったかも。今日はL側なのでVnが届きにくくなる代わりブラスは飛んできます。
 後半のショスタコ、テンポは基本的に中庸、第1楽章はやや遅め、第2楽章はやや速めで一気に。演奏も慣れたもので、細かいところは余り合ってないのですが、委細構わず進む感じ。末広がりのテヌートなど随所に「ロシア訛り」的な表現が嬉しいところ、特に金管の吹きっぷりは音の終わり方がぞんざいだったり、長さがテキトーだったりしますが、ロシアっぽさ(個人的な決め付けですが)があって楽しいです。ブラスに関しては先日のNYPと一長一短、ただ弦の厚みがだいぶ違います。第3楽章クライマックスでの全音符アクセントを付けた様な表現が印象的。終楽章も普通かやや速めのテンポ、再現部もやや速く始まって少しずつスローダウンして、遅いスタンダード型のコーダへ突入するパターン。驚いたのはコーダに入る少し前、ムラヴィンスキーだけ違う音型をとる有名な部分はなんと従来型、つまりムラヴィンスキー時代の楽譜を使ってないことになります。全体としてかなりの迫力でしたが、驚く程でもないのは事実。以前の7番の時と似た印象です。
 昨晩は無かったアンコール、まずお得意のエルガー「エニグマ」のニムロッド(ロシア風)、これで3度目ですが何度聴いても凄いです。特にむせ返るような弦やクライマックスでのブラスの咆哮度は過去最高。これで打ち止めかと思ったらさにあらず、プロコ「ロミジュリ」よりタイボルトの死、このアンコールも2度目ですが、見栄の切り方など前回より大袈裟で、ブラスの吹きっぷりもよりハチャメチャ、少し物足りなく感じたショスタコを補って余りある爆裂度でした。

 この後に聴いたインバル&都響の感想はまた次の記事で。今夜も夜空が綺麗で冷え込みそう。明日はアマオケのマーラーです。

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