2006年10月28日土曜日

明剛ピアノと流柔トランペット - 高橋多佳子さんのピアノとアレクセイ・トカレフさんのTp

 曇りがちながら晴れ間も覗く、そこそこの陽気。昼過ぎまで練習し、夜の宴会まで時間があったので、インストアライブをハシゴしました。

 まずは渋谷タワレコでの高橋多佳子さんのピアノ。細身ながら思ったより長身、それを90度以上折り曲げての深いお辞儀を何度もする、腰の低い感じの方でした。明快なタッチと力強い音が印象的。ラフマニノフのピアノソナタからの一楽章、そして展覧会の絵からバーバ・ヤーガとキエフの大門を重厚にたっぷりと聴かせてくれました。

 次に銀座ヤマハに移動して、元レニングラードフィル首席のアレクセイ・トカレフさんのTp。シルバーのトランペットとゴールドのコルネットを使い分け、ロシアもの小曲を4曲、バラード調なものからヴィルトゥオーゾ的なものまでいろいろ。柔らかい音色と流れるような演奏は相変わらずでした。

 移動中の地下鉄、ある雑誌の中吊り広告に、付録DVDは映画丸ごと1本!「雨に唄えば」(このDVDは開封後48時間で内容が消えます。) みたいなことが書いてありました。「スパイ大作戦」みたい、一体どんな技術を使ってるんでしょう?

 明日はアマオケでマーラーです。

2006年10月14日土曜日

晴れ娘達の元気の出る音楽 - MODEA

朝晩はやや寒いですが、このところずっと安定していい天気、昼過ぎまでテニスをして、帰り道、昨夜置き忘れた文庫本を回収すべく、駄目もとでサントリーホールへGO。何と!ちゃんと保管してくれてました。ルツェルンの楽屋口まで行き京極夏彦を無事回収、有難う、サントリーホール!

 その後、銀座ヤマハのインストアライブに寄ってきました。

 MODEA(モーディア)という名前の、ヴァイオリン、エレピアノ、パーカッションで構成される女性3人のユニット、年間150ものライブをこなす、自称「98%の晴天率」の晴れ女とのこと。アップテンポなポップス系の自作曲を何曲か披露してくれました。可愛かったです。(と素直な感想)

2006年10月13日金曜日

アバド&ルツェルン、やわらか重戦車のマーラー

 あーあ、ダイエーはつくづくプレーオフとは相性が悪いですね。あ、今はソフトバンクか。しかし、日ハムが優勝するなんて想像もしませんでした、予想した人は少ないと思います。

 今夜はアバド&ルツェルンのマーラー本番。アバドの来日公演と言えば、LSOとの5番が最高でした。その後BPOとの9番は何とか立見席(!)で聴いたものの、2番、3番は安く入手できず断念。

 今回も馬鹿げたチケット価格設定のため一旦は諦めていた公演だけに幸せです。ただ昨日リハを聴いてるのでワクワク感は少なめ。帰りが遅くなるのて、取りあえず記事のみにて。

 戻りました。とても良かったです。満足したせいか、京極夏彦の新刊文庫を座席に置き忘れてきたくらい(大部ゆえ1200円もしたのに・・・涙)。

 私見ではアバドのマーラーは、マーラー独特のアクは少なめで、内声や対位法をクリアーにしたシンフォニックなスタイル。そして静と動のコントラストが激しく、ハマった時のffの響きはピカイチ。また実演ではディスクよりも旋律をより歌い込む印象を持ってます。

10月13日(金) サントリーホール
 クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管 モーツァルト アリアを3曲、マーラー Sym6番
前半のモーツァルト、ソプラノのハルニッシュは細身なのにかなりデカい声が出てました。そしてマーラー、まず編成が大きい!弦のプルトは多いし、ハープは3本、木管は全パート4管以上、金管も(終楽章しか出番の無い?)5th、6thTpや4thTbがちゃんと別にいて、サントリーの舞台は満員電車状態。ルツェルン祝祭管はやはり上手で、圧倒的なボリュームの弦、木管の名人芸、ドイツ風の末広がり系迫力のブラスなど、「P席だと・・・」という不安を払拭するような音の洪水、一流の演奏は聴く場所に拠らず凄いことを実感。しなやかさと豪快さを併せ持つ、柔らかな重戦車というイメージのオケでした。
 まず第1楽章は分厚い響きに圧倒され、第2楽章(旧第3楽章)はお得意の精妙なピアニシモと表情豊かなカンタービレで魅せ、そして第3楽章はアクセント強めの野趣溢れる演奏。だた第2楽章は本番では少しやり過ぎたせいか、入りのゾクッとする表情などリハの方が良かった感じ。そして終楽章、長丁場ゆえ最初から全開にはせず、ffとfffのメリハリをつけた設計性が印象的でした。
 最後の一音の後、拍手が始まるまで30秒程の静寂、BPOとの9番の際、同様に1分もの静寂が続いたのを思い出しました。ただ、9番の時はアバドが姿勢でやや演出したきらいもあっての静寂でしたが、今回はややリラックスした姿勢になった後も自然に続いた静寂だった気がします。ともあれ、この10数年で色んな意味で自然体になったアバドの到達点を見た感じです。

 今年は、ホーネック、ヴァンスカ、アバドと3人の異なるタイプのピアニッシモアーティストを聴くことが出来ました。

2006年10月9日月曜日

15周年記念は実の詰まったマーラー1番 - 河地良智&慶應義塾アインクライネスオ-ケストラ

 南無三、いま中日が巨人をリードしています。せめて12日の直接対決まで残して欲しかったです。セリーグの盛り上がりのためにも。

 あと昨夜のHERO'S、正直なところ秋山を評価してなかったのですが、ごめんなさい、お見事でした。特に打撃だけでスミルノヴァスに勝ったのには驚愕です。宇野は3R制かPRIDEルールなら可能性ありました。また嘉陽vs.シンワンチャーのWBCタイトルマッチが、深夜ひっそりとしか放送されなかったのが象徴的。

 今日も爽やかな秋晴れ、そろそろ朝晩は短パン半袖では寒くなってきました。

 翌日にこれを書いてます。昨日聴いたアマオケは、慶応といってもワグネルではなくてアインクライネス、聴くのは初めてで、どうやら飛び地キャンパス(藤沢)のせいで出来たオケらしいです。前日の深夜になってこの演奏会に気付き、当日朝にメールしたのにご招待いただきました。感謝感謝です。

10月9日(月・祝) パルテノン多摩
 河地良智指揮慶應義塾アインクライネスオ-ケストラ ベートーヴェン エグモント、ドヴォルザーク 真昼の魔女、マーラー Sym1番
 15周年記念ということで、現役・卒業生合同のオールスターメンバーだったせいか、想像よりずっと上手、特に弦の厚みはアマオケではなかなか聴けないレベルでした。特に後半の1番、解釈自体は平板でしたが、各パートしっかり鳴って響きが厚く、アマオケでこれだけみっしり音が詰まったマーラーを聴いたのも久し振りな気がします。また、なかなか壮大だったクライマックス、Hrの起立は楽譜の指示より遅め、コバケンと同じくらいのタイミングでした。アンコールは特に無し。

 ここ数日コンサートに行き過ぎなので、今夜のヴァンスカ&ラハティは諦めます。

2006年10月8日日曜日

ヴァンスカ&ラハティ響、3度目のシベリウス5番

 日曜の午後、アマオケのマーラー5番の後、西村由紀江さんのピアノを経由して期待のヴァンスカ&ラハティ響へ。

 初来日の際のシベリウス交響曲全曲チクルス以来、ピアニシモへの拘りと精緻で時に豪快なヴァンスカの音作りに魅せられています。

10月8日(日) サントリーホール
 オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団 シベリウス タピオラ、グリーグ PC、シベリウス Sym5番
 タピオラの実演は初めてで曲想すら記憶にありませんでしたが、一音一音に漲る緊張感とダイナミクスの広さは相変わらずのヴァンスカ節。グリーグ(何故?)ではオケの均質な音色が印象的。ソロのポホヨネン(子供にしか見えませんでしたが一応20代)は拍手に応えてグリーグを更に2曲アンコール演奏。
 かなり空席が目立ったので、後半はRAからLDへ移動(ごめんなさい)。これが大失敗で、音が飛んでこないし、解像度も悪くなった印象で、5番はややシャープさに欠ける演奏に感じました。それでもラストの金管の咆哮する高揚感はこのコンビならではの壮大さでしたけれど。盛大な拍手に応えてのアンコールは何と4曲! いつもの通り、「悲しきワルツ」以外はマイナーなシベリウス作品ばかりでした。

 まあ、アンコールの多さで納得はしましたが、期待程では無かった感じです。前回来日の2番といい、今回の5番といい、初来日時の演奏よりは落ちる気がしたのは、こっちの期待感のせい? でも明日の東京文化公演も、安い席が残ってたら行こうかな。(←結局自重しました。)

日本のアンドレ・ギャニオン? - 西村由紀江さんのピアノ

日曜の午後、アマオケでマーラー5番を聴いた後、夕方のヴァンスカまで少し時間があったので、西村由紀江さんのピアノを聴きに銀座ヤマハへ。

 少し遅れたんですが、着いたら凄い人だかり、通常のインストアイベントの倍かそれ以上はいたんじゃないでしょうか。ポリーニでも来てるのかと思いました。寡聞にして彼女のことは名前しか知らなかったんですが、有名人なんですね。ポップス系の自作の曲を幾つか披露、聴いた感じは日本のアンドレ・ギャニオン?って感じでした。(見当違いだったらゴメンなさい。)

 しかし、深キョンの時より客が多いのは解せません。

ホルン競奏曲のマーラー5番 - 榊原徹&オーケストラ ビバ・ムシカ

広島と横浜はエライ! 出張から戻ったら阪神の優勝確率は1%位になってるかと思いましたが、両チームのお陰で3%程度に留まってます。

 一方、パリーグのプレーオフ緒戦はこちらよりハイレベルな攻防。またシューの鈴鹿28秒台はハンパじゃなく凄いです。

 ぬけるような青空、ただ風はかなり強め。テニスはお休みして、これからアマオケのマーラー5番、ヴァンスカ&ラハティ響のシベリウス5番、と5番のダブルヘッダー(昨夜と併せればトリプルヘッダー!)です。

 まずはアマオケのマーラー、ネット申込をしたのが前日の深夜だったにも拘らず、招待券を用意して下さいました。有り難い事です。

10月8日(日) 練馬文化センター
 榊原徹指揮オーケストラ ビバ・ムシカ ウェーバー 魔弾の射手、R.シュトラウス Hr協奏曲1番、マーラー Sym5番
 新しく出来たオケの第1回公演、明治大オケの卒業生が中心のよう。マーラーはアクも毒も無い解釈、全体に音が薄いのは発展途上のオケだけに仕方の無いところか。ただ女性Tpのソロはなかなか見事でした。第3楽章でHrソロがステージ前に出る新しい版で、何とR.シュトラウスでもソロをとった日フィルの福川氏が袖から登場、更なる妙技を披露してオケを完全に食ってしまいました。第4楽章は快速テンポ、旋律やフレージングが明確になるので非力な弦セクションに合ってました。その後オケに合流した福川氏を得て俄然安定したHrパートに加え、Tb、Tpの最後の頑張りで、終楽章はそれなりに盛り上がりました。アンコールは無し。

2006年10月7日土曜日

一点新鮮のショスタコーヴィチ5番 - 松岡究&成城管弦楽団

昨日来の大荒れの天気もおさまって午後には久しぶりの青空、今は十六夜(?)のお月さんがとても綺麗です。

 朝家を出るとそこらじゅうに折れた木の枝が散乱しており、通常の台風時より多いくらい。昼間テニス、夕方アマオケとこれまた久しぶりに基本的な休日のパターン。

10月7日(土) 太田区民ホール アプリコ
 松岡究指揮成城管弦楽団 ロッシーニ どろぼうかささぎ、リスト 前奏曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
初めて聴くアマオケですが、成城大オケOB中心の比較的新しいオケとのこと。お目当てのショスタコは終始速めのテンポで淡々とした解釈に感じましたが、終楽章再現部のみやけにゆっくりと始まってコーダへ向けて加速していったのが印象的。ただコーダの迫力はいま一つ。また一番良かったのは第3楽章の静かな再現部、低弦を響かせたバランスが新鮮で美しかったところです。オケではリストを含めTbがよく鳴ってました。アンコールは無し。

 ショスタコイヤーのせいか、5番は今年で4回目。ここ数年急速に目につくようになったのですが、この曲を「革命」と呼ぶのは勘弁して欲しいです。