2008年1月31日木曜日

功を奏さなかったプロパガンダ - 華氏911

昨日程ではないにせよ、10度と暖かめの陽気、強かった風も若干春っぽい感じです。

 本日も昨日に引き続きマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画、カンヌを制した作品ですが、話題性を除けば、パルムドールはちょっと疑問符が付く気もします。

華氏911 <'04 米>
 今回のムーア監督の標的は中東のオイル利権に絡むブッシュ政権、ただ前作「コロンバイン」と比べると編集の妙は余り感じられず、普通のドキュメンタリーっぽい仕上がり、ブッシュ再選阻止のため急いで作ったせいか、はたまた主張が強過ぎたせいなのか。終盤のG.オーウェルの引用が一番印象的でした。

 この映画が功を奏さず、ブッシュが再選されたのは個人的には残念に思います。

2008年1月30日水曜日

鍵と銃と - ボウリング・フォー・コロンバイン

さっき一時帰宅した時にCSオンエアされていた、マズア&LPOのショスタコ5番の'04年ライブCD、終楽章コーダの異常なテンポにはぶっ飛びました。マズアって地味な印象あるのに、こんなことするのか…。

 昨夜の雨雲のせいか冷え込みは甘く、晴れた日中は12度と春並みのポカポカ陽気、昼休みのテニスも快適です。

 本日と明日も寝正月に観た映画から、マイケル・ムーアの有名なドキュメンタリーを2本、以前に録画したまま散逸していたのですが、実家のBSで深夜放送しておりここぞとばかりに鑑賞。

ボウリング・フォー・コロンバイン <'02 カナダ/米/独>
 ムーア監督の故郷に近いコロンバイン高校で起きた銃の乱射事件を題材に、アメリカの銃社会を糾弾するドキュメンタリー、編集の妙で2時間飽きさせません。噂以上に驚きなのはアメリカとカナダの違い、同じ銃社会なのにカナダでの家に鍵をかけない度は日本よりずっと上。また一番笑ったのは金属探知機(?)のCMで子供が隠し持った銃を次から次へと出すシーン。クライマックスの突撃取材は凄いですが、その前のKマートのくだりでは少しウルッときました。

 ちなみに僕の鍵かけ度はと言うと、まず家に居る時はかけません。また外出する時は、石川と京都に住んでた頃は鍵をかけず、東京に住んでた頃と現在はかけています。盗られる様な金目の物なんて無いんですけど、なんとなく。

2008年1月29日火曜日

世界の中心はヒロインの存在感 - 世界の中心で、愛をさけぶ

 昨夜から降り始めた雨、夜半に雪に変わるかと思ったらずっと雨、そして日中もずっと雨。

 深夜から朝にかけて気温は1度前後だったので、またも「4度ルール」と言うか「雨雪判別表」は合致せず。勿論晴れが一番好きなんですが、雨よりは雪がずっと好きなので、ちょっと悲しいです。

 さっき丁度オーストラリアの研究者にメールを送ったところ、よって今日はそれにちなんだ映画から。去年のお正月に30分程観て年越しそばで途絶してしまって以来、1年越しのリベンジです。

 同僚から借り、1時間程で読めてしまった原作は、100年以上前から書き継がれる同種の物語との違いは感じませんでしたが、映像となると別種の面白みが出てきます。

世界の中心で、愛をさけぶ <'04 日>
 ご存知薄幸悲恋物ベストセラー小説の映画化、原作を巧く改変しており、その部分で少し泣きました。光の使い方に特徴のある映像も印象的でしたが、何よりもヒロイン長澤まさみの肉体の存在感に尽きます。ある一定の年齢にしか存在しえない健康的なエロスを身体中から発散しています。

 ところで、散骨のシーンはどう見てもエアーズロックに見えないんですけど…。(←この点に関しては後日疑問氷解!)

2008年1月27日日曜日

まとまりの第2作 - ジャック・カーリイ「デス・コレクターズ」



 祝シャラポワ全豪初制覇! まあ、エナンに勝ったんだから当然でしょう。それよりフェデラーがいつの間にか負けていて驚き、と言うか、「フェデラーに勝つとしたらジョコヴィッチ」と言われて半年、いまだ彼が動いてるのを見たことありません(涙)。あと、福士の快走と失速にはマラソンの恐ろしさを感じました。

 昨夜の「SP」最終回はグレツキSym3番でした、たぶん。(その後にもう1曲あったかも。) あとクライマックスの場面はオーチャードホール?

 今朝は更に冷え込んでマイナス6度、日中もよく晴れましたが気温は低め、本日も練習やコンサートの予定が無く、2日連続して職場で過ごす一日。

 風邪をひいて以降、初めてしっかり壁打ちをしたんですが、すぐにヘロヘロになり、体力が無くなったのを痛感、一からやり直しです。

 本日は最近読んだ本から、奇抜なファイダニットで話題を呼んだ「百番目の男」の著者のシリーズ第2作です。

デス・コレクターズ ジャック・カーリイ
 前作の刑事コンビがまた猟奇的な連続殺人を追います。30年前の事件もからみ、前作とは別種のサプライズもあって、より本格に近い内容になってます。伏線の収束度が向上した反面、サイドストーリーやサスペンスは少し落ちたかも。 

 前作「百番目の男」のタイトルの理由が判らない、と以前に書きましたが、本作の解説にしっかり書いてありました。何のことは無い、最初の方に書いてあったんですね。

 いま、星が降ってきそうなくらいの夜空、目一杯冷え込みそうです。

2008年1月23日水曜日

クールな第6感 - シックス・センス

 地上波放送が無くなって以来実感の薄い全豪OPですが、何とシャラポワがエナンに完勝! 嬉しいです。同僚はハンチュコワ初の準決勝進出に沸いています。この両者が決勝を戦おうものなら、地上波で放送しないのはほぼ犯罪でしょう。

 雪を期待しましたが終日の雨、降水が雨になるか雪になるかの境目の気温は4度、と今朝のTVで言ってましたが、日中の気温はほぼ1度前後(寒い!)、にも拘らずの雨でした。(東京では雪だったらしい。)

 調べてみると「雨雪判別表」なるチャートがあり、それによると気温だけではなくて湿度も大きく影響するとのこと、しかしその表によれば気温が1度ならば湿度によらず雪か霙(みぞれ)、つまり今日の雨はレアケース?それともこの表、余り当てにならない?

 今日もお正月に観た映画から、「グラディエーター」を発掘した際、同じテープに録画されていたもので、実家に持ち帰ってゆっくり鑑賞。周りは皆観てるけど自分だけ観てない有名作、その内容を耳に入れない様に粘って待った甲斐がありました。

シックス・センス <'99 米>
 奇妙な感覚を持つ少年とその心の闇から救おうとする精神科医の苦闘と交流を描くサスペンス。前半はややもどかしく感じましたが、ラストの方は泣かせ所といいオチといい秀逸、ついもう一度早送りで如何に注意深く作られているか確認してしまいました。息の白さが効果的。

2008年1月20日日曜日

震災マジック - 谺健二「未明の悪夢」

 昨夜の「SP」はまず威風堂々の第1番(有名なやつ)、その後、聖歌やレクイエムっぽい曲も使われてましたが不明。

 明日は大寒、それに相応しく今朝の冷え込みはマイナス6度、午前はテニス、午後はアマオケでシベ2、そして夜は新年会という予定を全部キャンセル。と言うのも先週寝込んだせいで仕事が溜まっている上に、明日の日帰り出張の発表準備が未だだから。勿論風邪が治りきっていないので自重する意味もあります。

 暇になったのをいいことに、P.ヤルヴィ&フランクフルト放響のマーラー9番のチケットを発売日GETしてご満悦、調子に乗ってナガノ&モントリオール響のアルプスSymを取ろうとしたら、何を勘違いしたか先行販売期間はとっくに過ぎており、激しく落胆。

 今日はあの阪神・淡路大震災を舞台としたミステリー、第8回鮎川賞受賞作です。手に取ったのは昨年だったのですが、生々しい描写が震災の頃を思い出すせいか、読むのがシンドくてなかなか進まず、やっと昨夜読了した本です。

未明の悪夢 谺健二
 震災と時を同じくして起こった謎の猟奇連続殺人に、私立探偵が女性占い師と共に挑みます。とは言え震災のさ中、自分や隣人がまず生き抜く事の方が重要で、探偵はあくまで正気を保つための行為です。とにかく主役は震災そのもの、必然的に暗く硬い筆致になりますが、事件の内容は密室から消えるバラバラ死体とか、死後一日も返事をし続けた死者などトリッキーそのもの、このアンバランスが個性でしょう。不可能性の高さゆえ、犯人もトリックも割れやすいのですが、それ以外にもいくつかミスディレクションが用意されてます。読むのが辛かったせいか、最後の方の小ネタではつい字が滲んでしまいました。

 さすが城平京「名探偵に薔薇を」に勝っただけのことはあります。ただ、震災体験をしている方が読むのは、余りお奨め出来ない気もします。辛い事を思い出すでしょうし、「こんなもんじゃない!」「トリックのネタにするな!」と立腹してしまうかもしれませんので…。

2008年1月19日土曜日

秋山&東響の家庭Sym

 晴れてはいましたが平均でも0度強と寒め、また昨日はこの冬初めて平均気温がマイナス、まさに冬本番です。風邪で寝込んだ甲斐あって、2kg減量に成功! 4日振りに食欲も出てきたのでそろそろ固形物を食べることにしました。

 病み上がりのため練習はキャンセル、朝はまたゼリー食、昼はガマンして、夕方に後輩の誕生祝いを兼ねて久々のマトモな食事、タイ料理屋で刺激の少ないものをチョイス。

 夜は大好きな曲「家庭交響曲」を聴きました。個人的にはラスト15分、くどい位のクライマックスが好きなのですが、フツーの人には(特にそこまでの冗長さが)受け入れ難いようで、滅多に演奏されません。気が付けば必ず行く様にしてるのですが、この5年で実演はたったの2度位(セゲルスタム&読響、小泉&都響)。

 そして、だいぶ前のサヴァリッシュ&フィラデルフィア管の来日公演を含め、実演でこれと言った演奏に未だ出会っていません。小泉&都響が一番好印象かも。指揮の秋山氏は何度聴いてもあまり強い印象の無い方ですが、今日はどうでしょう。

1月19日(土) サントリーホール
 秋山和慶指揮東京交響楽団 ハイドン Sym94番、諸井誠 現代曲、R.シュトラウス 家庭Sym
前半2曲は自分には守備範囲外、ただハイドンはモーツァルトに比べると現代性を感じます、恰幅のいい演奏でした。そしてお目当てのR.シュトラウス、秋山氏の解釈はやはりテンポも歌わせ方も標準的なもの、滅多に演奏しない曲であることを考慮すればオケもそこそこ安定しており、木管陣のソロもまずまず、弦ではコンミスの頑張りが印象的。少し不満だったのは金管、自慢の外人奏者(ハミル、マルティ)をトップに据えておらず、特にこの曲の要であるHrは9本も揃えながら調子がなかなか上がらず、Tpもぼちぼち程度の迫力だったところ。とは言え、クライマックスではなかなかの音響が聴けました。

2008年1月17日木曜日

リベンジのタンホイザー - ヤン・ズバヴィテル&チェコ国立ブルノ歌劇場

 朝目が覚めると一面の雪景色、初雪です。去年は暖冬で降らなかった気がするので2年振りか。まだ風邪から立ち直ってないので、続きは後日。

<続き>
 床に伏している間にシャイー&ゲヴァントハウス管来日中止のニュース、衝撃です…。

 風邪で倒れて犬猫モード2日目、この日は何とか職場に行きましたが、頭痛と悪寒でまだ余り仕事にならず、午後早めに引き上げました。

 と言うのも、夜にコンサートがあったから、食欲も少し出てきてゼリー状補給食を摂取する程には快復、片道2時間半かけてコンサートに行くかどうか迷いましたが、昨年「チェコ国立ブルノ」という名称には苦い思い出があるので「ブルノの仇はブルノで」と無理をしての出陣です。

 「タンホイザー」を観るのは初めて、この日のためにバイロイト等のオンエアで聴くことはあってもストーリーは耳に入れなかった甲斐あって、体調不良の中、物語を楽しむことが出来ました。

1月17日(木) 武蔵野市民文化会館
 ヤン・ズバヴィテル指揮チェコ国立ブルノ歌劇場 ワーグナー タンホイザー
序曲では明らかにTbが抑え目、オケは機能的ではないにせよ、弦や木管など独特の音色、第3幕前半、泣かせどころでの木管の響きは味わいがありました。金管ではHr、強奏時の迫力も十分でしたが、序曲や第3幕冒頭、弱音のコントロールが見事でした。ヴェーヌスベルクでの演出のH度は期待より低め、歌手陣は(よく分かりませんが)エリーザベト役を始め声量十分、合唱もなかなかの迫力、第3幕幕切れの巡礼の合唱ではTb,Tpもかなり吹いての大団円でした。

2008年1月14日月曜日

聴き初めパート2は9番 - 森口真司&FAF管弦楽団

 おえぇ~、帰宅して留守録してある(筈だった)パリ国立オペラ特番と高校サッカー決勝を観ようと思ったら、全く録画されておらず(涙)、原因不明、じゃなくて理由は明らか、ボケのせい。

 今朝はこの冬初めてのマイナス5度以下の冷え込み、霜柱を踏んで歩くのも初めて、とは言っても平年ならこの程度の冷え込みは12月の内から何度もある訳で(平年値がマイナス4度)、昨年同様暖冬傾向です。日中も5度未満と余り上がらず。

 午前中は寒い中、単パン半袖でテニス、そのせいかお腹がやや冷えてゴロゴロ、そして午後はアマオケと典型的休日。

1月14日(月・祝) ミューザ川崎
 森口真司指揮FAF管弦楽団 リスト レ・プレリュード マーラー Sym9番
このオケはずっと前に一度聴いた事があるくらい、弦管ともに安定していてなかなかの実力、前半のリストもよくまとまっていました。そして後半のマーラー、森口氏の解釈は過去に聴いた数回と比べ大人しめでテンポもアクも標準的なもの、オケもしっかり応えており、かなりきっちりした演奏、終楽章の弦もなかなかのウネリ、そして終結部も見事なpppでした。が、金管、特にTpなど力があるので(個人的には)もっとハジけて欲しかった気もします。

 帰り道、連れの友人にラーメンをご馳走になって減量モードは一旦休止、明朝の体重を見て戒厳令を再発令するかどうか決めます。

2008年1月10日木曜日

フランスの香港系アクション - トランスポーター

ここ3日の努力で2kg減量に成功、ただ「太モモ擦れてるなー」感はまだ残っており、次の1キロが最大の難関。

 昨日ほどではないにせよ、平年よりやや暖めだった一日。

 ドラマも新クールがスタート、4つほど観ましたが微妙なものが多い(「はちみつとクローバー」のキャスティングとか)中、印象深かったのは「あしたの、喜多善男」です。「アローン・アゲイン」の使い方など音楽がお洒落だし、先の読めない展開も興味深く、どこかでどんでん返しが待ってる気もします。

 本日も寝正月で観た映画から、リュック・ベッソン製作・脚本ですが、監督は別の人です。

トランスポーター <'02 仏/米>
 どんな物でも運ぶ冷徹な運び屋が、自らに課したルールを破ったことから始まるノンストップアクション。カーチェイスから格闘までマンガ的何でもありの世界なので、頭を空っぽにして楽しむ系です。10年程前にグラビアでよくお世話になったスー・チーが出ていて驚きました。

 秋山選手を想起するヌルヌルシーンもあります(笑)。