2008年6月11日水曜日

死神は雨男 - 伊坂幸太郎「死神の精度」

 残念なニュース:水野晴郎さん死去
淀川さん、小森のおばちゃま、そして水野さんまで…、子供の頃に馴染んだ顔が皆さん故人になってしまいました。

 予報はまたも好い方に外れて雨は降らず、陽が射してきた夕方頃には25度を超しました。

 今日は一昨日試合会場で読んだ本から、日本推理作家協会賞短編賞を受賞した連作短編集です。

死神の精度 伊坂幸太郎
 死に値するかを判断すべく対象者と接触する死神を通して描く6つの人生、「しにがみのバラッド。」(2007/3/27)を想い出します。また死神のキャラはヴェンダース「ベルリン・天使の歌」(又はリメイクの「シティ・オブ・エンジェル」2008/1/25)を意識させるもの、ただ数多く出てくる映画の引用の出典は全く分からず。クローズドサークル物の「吹雪に死神」での設定を活かしたトリックと感動の予定調和を迎える最終話が印象に残りますが、全体としてはミステリー的仕掛けは少なめ、偶然でしょうけれど作中リンクのある「重力ピエロ」に近い印象です。
<以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!!> ただ、第1話で既にDVDプレーヤーが存在していることから考えると、テクノロジーの進歩を低く見積もり過ぎでしょう。

 「恋愛で死神」でのセリフ:
「自分と他の人が同じことを考えたり、同じことを言ったりするのって、すごく幸せに感じるんですよ」
を読んで、テニス仲間の元カレを思い出しました。そいつ、仲良くなった、つまり彼女候補となった娘には好きなゴダールの映画を見せ、その感想を聞いてから付き合うかどうか決める、という、ある意味夢見がちでちょっとスノビッシュな奴でした。

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