2009年6月24日水曜日

善意の人の描く悪意 - 宮部みゆき「模倣犯」

 昨夜の「白い春」は予定通りの展開なのにやはり泣きました、ベタに弱いので。またその後に観たネットに出まくる伊達のプレーには感嘆するのみ、BBC(?)の実況メンバーも感動してました。

 朝方まで強い雨、気温はその後昼過ぎまで下降気味、ただ雨が上がり夕方近くになって上昇に転じ夏日を確保、コートも乾いてアフター5は同僚との週イチ和やかテニス。

 昨日死亡したWindows2000マシンを部屋の隅に追いやり、計算専用のLinuxマシンを足元に持ってきて、日常業務に使えるよう環境を整えるべく悪戦苦闘した(けれど失敗しまくった)一日。

 本日はこの半月ほど携行していて、昨夜やっと読了した本から、著者の集大成的作品で文庫にして5分冊、古本屋で1冊100円の棚で見かけたら購入、とバラバラに買っていたら、5巻揃えるのに1年程要し、しかも(ボケ老人ゆえ)途中で第何巻が購入済みなのか覚えきれなくなり、同じ巻(第5巻)をダブって買ってしまったりも。

模倣犯 宮部みゆき
 快楽的に拉致殺人を繰り返し、マスコミをも巻き込んで劇場型犯罪に発展する顛末を(「理由」の時に導入した手法の応用か)多面的に描きます。"善意の人が描く悪意"という点で、「スナーク狩り」を思い出しました。方々にばら撒いた伏線を全ては回収しない(敢えて?)ところ、タネを早めに割ってしまう構成、"建築家"の扱いなど勿体無い点が多い気もしますが、ミステリー的驚きより、人の心を描くことを重視する著者の姿勢なのでしょう。表題の意味が最後の方でやっと判るところが渋いです。
<<以下ネタばれに付き未読の方は飛ばして下さい!!>>
高井和明の役割やピースの正体を最後まで判らない様に書くとか、それどころかピースが実は若手刑事の一人など、「いいひと」側の主要人物だったなど、構成を工夫すればいくらでもディーヴァーばりのサプライズを作れるのに、とつい思ってしまいました。

 マスコミ媒体の中で「週刊ポスト」だけ実名で出てきて「おや?」と思いましたが、初出がその週刊ポストの連載だったとのこと、しかもあの酒鬼薔薇事件('97)より前の連載時期です。

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