2009年7月29日水曜日

MTTとPMFのマーラー5番

今夜はこれからMTTの振るマーラー5番、彼がレコードデビューした頃はスマートで現代的な演奏、というイメージでしたが、最近のサンフランシスコ響とのマーラーは濃いめの演奏なので楽しみ。例によって帰りが遅くなるので記事のみにて。

<続き>
 戻りました。今日は晴れたり曇ったりとはっきりしない天気、気温は30度を少し超えた程度ながら湿度が高く、(建物内禁煙ゆえ煙草を喫う度外へ出る)ヘビースモーカーの上司は「蒸し暑い」とこぼしてますが、不快指数が高ければ高い程自分には快適! 昼休みは勿論外に出て壁打ち&最後に5%の坂が待つコースをサイクリング、新しいパスポートを回収してきました。

 夜はこの夏最も期待のコンサートだったMTTのマーラー、PMFオケは世界中から選抜されたユースで構成されてます。

7月29日(水) サントリーホール
 マイケル・ティルソン・トーマス指揮PMFオーケストラ MTT シンフォニック・ブラスのためのストリート・ソング、マーラー Sym5番
 前半は自作で12本のブラスの曲、緩→急ときて緩に戻りコーダと20分弱、バーンスタインやコープランドを思わせる曲想でした。後半のオケは対向配置、Tp、Hrソロは共に女性!特にTpは堂々として朗々、初めて見るMTTの指揮は表情豊かできっちり振ってない割には乗りやすそう、テンポは標準的でメリハリくっきり、かつ粘るところは粘る感じ、特に旋律の最初でタメるパターン多し、第4楽章中間部だけかなり遅いテンポで切々と歌ったのが印象的。木管は思い切りよく、弦は皆一所懸命でまずまずの音量、ブラスの鳴りもなかなかで歯切れよい大団円、いびつさは少ないながらほぼ王道のマーラーを楽しみました。アンコールは無し。

2009年7月20日月曜日

豪快初シュールホフと端正ラフマニノフ - 十束尚宏&フィルハーモニア・エテルナ

 昨夜のヴェルビエの登り、大本命コンタドールは圧巻、またシュレク兄弟はもとよりサストレにも置いて行かれたランス、その映像(←後でYouTube視聴)はなかなか新鮮ながらやや複雑。

 続くリベルタドーレス杯決勝、ベロンがまだ元気にやっているのを見て驚き、ブラジルのチームが負けたのは悔しいけど、勝ったアルゼンチンのチームの方が魅力的なサッカーをしていたのも事実。

 すっきりと晴れたものの気温は低めで30度に届かず、昨晩もそうでしたが夜は微妙に曇っていてなかなか綺麗な夏の夜空を拝めませんが、木星だけは薄い雲などお構い無しに他を圧して輝いています。

 明日は試合なので今日は左膝の完全休養日、ゆっくり朝寝して午後はアマオケへ。アマとしてはトップレベルのこのオケ(前回はマーラー5番)、今回はシュールホフの5番という日本初演!の曲を採り上げています。

 そのエルヴィン・シュールホフは20世紀前半のチェコの作曲家で、ナチスの強制収容所で獄死したとのこと、交響曲は8つ書いているらしいです。

7月20日(月・祝) すみだトリフォニー
 十束尚宏&フィルハーモニア・エテルナ シュールホフ Sym5番、ラロ チェロ協奏曲、ラフマニノフ 交響的舞曲
 休憩はコンチェルト後かと思えばシュールホフの後、その理由は聴くと判りました。そのシュールホフは3管以上の大編成、行進曲風の第1楽章は頭からTbを中心にしてブラス吹きまくり、しかもずーっと同じ楽想のまま5分くらい突き進みます。続く緩徐楽章も盛り上がりは激しめ、Hrが見事でした。次のスケルツォ楽章もほぼ吹きまくり、そしてマーラー3番第1楽章の行進曲のパロディの如き終楽章ではまた行進曲風に盛り上がります。ただオーケストレーションが下手で音の重ね方が悪いせいか、オケを疲れさせた量ほどには演奏効果は上がらない印象、ともあれ、ややマーラーやショスタコーヴィチなどを思わせる曲想を満喫しました。
 後半はラロから、アンコールにバッハを1曲披露してくれたソリストのフリードリヒ・ドレシャルはウィーン・フィルの主席チェロ奏者、上手いオケはゲストも豪華です(笑)。最後のラフマニノフもオケが安定しており端正にしてスケールも大きい演奏、Saxソロは2ndClの持ち替え、ラストはジャーンとドラの音が綺麗に残り、アンコールは無し。

 今夜はこれからDREAMウェルター級GP、ワクワクしてます。

2009年7月16日木曜日

ファミリー・アフェア的英国本格 - D.M.ディヴァイン「ウォリス家の殺人」



 「ブザービート」第1話で「東京ラブストーリー」の挿入音楽がちょこっと使われてましたが、シャレなのかずっと使うのかどっちんなんでしょう? 月9と言えば前クール「婚カツ!」は最低視聴率と騒がれてましたが、ストーリーはともかく、手拍子を効果的に使った音楽は秀逸でした。

 気温は30度ちょっととイマイチ上がりませんでしたがそこそこの晴れ、やはり梅雨明け宣言は正しかったのか、という印象。5月中旬と同様、ここ数日謎の"かぶれ"が右薬指と左中指に出ています。共通点は旅行帰り、ってことか。

 本日はその先週末の旅行中に読んだ本から。昨年度の海外本格の中で最大級の収穫とされた作品で、「悪魔はすぐそこに」に続く創元からのディヴァイン第2弾です。

ウォリス家の殺人 D.M.ディヴァイン
 兄弟同然に育った幼馴染の家に招かれた主人公が遭遇する家庭内や近所とのいざこざがやがて事件に発展する展開、例によって人物造形に筆を割く代わり動きの少ないプロットながら、今回も終盤に少しサスペンスが用意されています。見事に騙されてしまいました。ただ、犯人同定の論理は一部納得出来ますが、偽装工作に関する部分は全く納得出来ません。
<< 以下ネタバレ主張につき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 時計の問題はまあいいとして(余りよくありませんけれど)、ウィスキーグラスの偽装工作については、あんな単純なミスを犯しうる人間となると別の人間に絞られてしまうと思います。

2009年7月14日火曜日

ケータイ会計士初舞台 - 劇団ROUTE30 「kabutomushi」

昨夜のK1MAX中継、同じ試合を2度放送する代わりにやるべき試合(プアカーオとか)があるでしょ!と怒りながらも楽しみました。ただKIDのディレイカウントはヒドイ。

 昨日ほどではないにせよ、30度に迫るまずまずの陽気、今年初めてヒグラシのカナカナカナ(と言うより寧ろキキキキキ?)って鳴き声を聞きました。

 軽く壁打ちに出た昼休み、だんだん青空が広がってきて「このまま梅雨明けしちゃったりして」と思ったら、何と関東だけ平年より1週間近く早い梅雨明け宣言!でも途端にまた雲が出てきました。

 例によって奇特な知人からチケットが回ってきて、当日になって急遽観劇に行くことに、お目当ては「ケーイ刑事銭形雷」「女子大生会計士の事件簿」の小出早織さん、本格的な舞台初出演とのこと、しかも今日が初日です。

 劇場入口に並ぶ花輪の中に「ケータイ刑事スタッフ一同」ってのもありました(笑)。

7月14日(火) シアターグリーン BIG TREE THEATER
 劇団ROUTE30 第3回公演 「kabutomushi」
ある小さな村を舞台にした青春劇、休憩無しの2時間はやや長かったですが、現在と過去を行き来して飽きがこない工夫がされており、結末も爽やか。小出早織さんは狂言回し的役割、TVで見るとぱっとしない感じ(失礼!)ですが、生で見るとダントツにオーラを感じました。

 タイトル通りカブトムシがキーワードとなる夏の物語、演出でもヒグラシが鳴いてました。

2009年7月12日日曜日

マーラーオケの6番 - 井上喜惟&ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ

 先日FMエアチェックに失敗したルイージ&ウィーン響のライブ(フランクSym)を昨夜のCSでリベンジ成功、それで気が抜けたのかドイツGPの予選中に意識を失い、「スターシップ・トゥルーパーズ」「コールドケース」を逃して残念。

 基本曇りながらぼちぼちの陽気で30度弱、朝体重計に載ってビックリ、何とこの関西行きの影響か2kg増!昨日のコンサート前のラーメンもよくなかったか…。

 明日は試合なので左膝は完全休養、午前中は教え子の応援、午後はアマオケで「展覧会」を聴く予定が招待券が見つからず、セカンドチョイスの方へ行くことに。

 聴いたのはマーラーの名を冠したオケ、マーラー協会会員としては聴いておくべきオケなんでしょうが、期待値が高いせいか例年がっかりしている(3番1番2番)ので、今年はやめようと思ってました、でも行っちゃいました。

7月12日(日) ミューザ川崎
 井上喜惟指揮ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ マーラー さすらう若人の歌、Sym6番
オケは対向配置で弦バスが左、Hrは右、前半は1番と関係深い曲を中心にセレクト、昨年の2番でも歌った蔵野蘭子は指揮者より一回り大きい感じ。後半の6番の曲順は今風でアンダンテが第2楽章、木管は全パート5本揃え、Tp7本にHrが9本、鐘やガラガラは舞台裏や2階廊下から聴こえてきました。冒頭の行進曲のリズムからのろのろテンポ、似た曲想の第3楽章もゆっくり、終楽章もじっくりテンポでトータル96分、やや息切れ感あれど最後まで緊張感を持続していましたが、これまでと同様、テンポの遅さの割には表情付けに濃厚さがありません。Tbの吹きっぷりがなかなかでここ数年では一番いい印象でしたが、単に期待値が下がっているだけかも。終楽章のハンマーは2度、3度目は軽く振るフリをしたのがご愛嬌。

 今夜はドイツGP、深夜にはCage Forceも、またツールのピレネー最終ステージも楽しみです。

2009年7月4日土曜日

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管のチャイコフスキー6番

昨夜フェデラーと戦ったT.ハース、彼女の美貌では圧勝してました。

 早朝は雨、そのせいで午前中の練習時間が後ろにずれ、左膝もまだかなり痛いこともありキャンセルして休養することに。午後だんだん雲が薄くなり気温も25度を突破、日没前には青空が、そして夜にはお月さん、どちらも久し振りです。

 午後ゆっくりとコンサートへ、初夏のロシアンオケ祭第3弾、ロシア・ナショナル管です。創始者であるプレトニョフとのコンビで聴くのは2年前のショスタコ5番の時に続き(たぶん)2度目。

7月4日(土) サントリーホール
 ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管 リムスキー=コルサコフ 雪娘、チャイコフスキー Vn協奏曲、Sym6番
 オケは対向配置、プレトニョフの明瞭な棒は「雪娘」終曲など速い楽想ではより速くなる傾向、次のVnCでしっとりした音を聴かせた川久保賜紀はアンコールに疾風の如きクライスラーの指クルクル系小曲を披露。そして後半の「悲愴」、チャイコは守備範囲の中心ではないため実演は10指に満たず確信はありませんが、粘りはぼちぼち程度で、メリハリくっきり系の演奏に感じました。オケは弦セクションがシャープでクリアな響き、ブラスもロシアっぽくは無いにせよ、第1楽章のTbや終楽章のTp,Tbなどかなり鳴ってました。表現の振幅の大きかった終楽章がやはり白眉。因みに音が消えてから棒を降ろすまでは約8秒。(楽譜の準備はあった気もしましたが)アンコールは無し。

 明日は同コンビで何とシベ2!でも地の果てで試合があるので間に合うかどうか微妙、現在雨乞い中。(←結局試合でシベリウスには間に合わず残念無念(涙))

2009年7月1日水曜日

飯森&東響の8番

 あっという間にもう7月、この日も時たま小雨の交じる梅雨空で気温は終日ほぼ20度台前半、昨日より痛みが倍加した左脚を引き摺りつつ参戦した2回戦、瞬殺されてお小遣いは3,700円。

 歩くのがかなりシンドイ状態ながら夜はミューザへ遠征して「千人」、杮落としで秋山&東響の同曲を聴いてからもう5年も経つとは、トシを取ると月日の経過が速い(早い?)です。

 皇室の誰かが来ていたらしく、かなり物々しい警備、まずホール入口のもぎりに着く前に何と所持品検査&金属探知機が! ホール内も末席に至るまで全セクションにSPが配されてます。コンサートで皇室メンバーや首相と一緒になることはままありますが、こんなことは初めて。

7月1日(水) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東響 マーラー Sym8番
対向配置のオケの背後に独唱陣と少年少女合唱、その上のPブロックおよびその両隣のブロックに合唱を配し、バンダはオルガン前(オルガン脇の席だったので残念!)。冒頭からそうでしたがおおむね強奏部はやや速めのテンポでどんどん進み、緩徐部は少し遅めで弦が歌う部分中心にやや粘る感じ、ただ後半で4本のハープが流れる中、弦がppで歌いだす部分はあっさり。木管陣は時に思いっきりいい吹きっぷり。栄光の聖母による澄んで通る歌声が3階LAバルコニーから降ってきて始まるクライマックスはややゆったりテンポでなかなか重厚な音響、ただ個人的には本隊・バンダともブラスはもうひと吹きして欲しかった。

 3階右バルコニー奥はほぼオケの後ろ側、8番はPブロックなど後方の席は合唱に使うため、この曲で指揮者を正面から見ることは余り無いため単純比較は出来ませんが、少なくとも自分が歌った時のコシュラーとヤマカズに比べると、飯森氏は合唱に向けてマメにキューを出してくれる分かりやすい指揮でした。