2010年11月28日日曜日

スダーン&東響の剛直ブルックナー8番

昨日に続き見事な晴天、夜雲が出たせいか冷え込みは甘め(それでも2度)、日中は18度近くまで上がってポカポカ感あり、午前中は教え子の試合の応援、午後は昨日と同様ミューザへ。

 今年の春、1、2日の間にブルックナー8番が3版(ティーレマン&ミュンヘンフィル、インバル&都響スクロヴァチェフスキ&読響)そろい踏み、なんて異常な現象がありましたが、半年経って今度は在京メジャーが4つ(日フィル、東フィル、東響、読響)相次いで同曲を採り上げる、という椿事勃発、ブルックナー初心者の自分でも、何と今年これで4度目の8番になります。

 あとなかなか評判がいいスダーン&東響のコンビを聴いたことがなく、1度聴いとくならこの曲か、という選択でもあります。

11月28日(日) ミューザ川崎
 ユベール・スダーン指揮東響 ショパン PC2番、ブルックナー Sym8番
前半のソリストはダン・タイ・ソン、拍手に応えてアンコールにちょっと変わった感じの曲を(でもショパンだそうです。) 後半のブルックナー、左奥に陣取ったHrは何と10本(うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)、第2楽章後には音合わせで仕切り直し、初めて見るスダーンの指揮は棒を使わないスタイルながら流麗というより精力的、指示も細かく分かりやすい感じ、標準的かやや速めのテンポで各声部をきっちり表現する直球の音作り、フレーズ内の表現でややテンポを揺らすにしても全体的にはインテンポ感があります。オケはなかなかの統一感と鳴りで、ブラスは最初の3楽章は腹8分目から全開に近い鳴りまで、所々使い分けている印象でしたが、終楽章に入ると最初からパワー全開、ペース配分が良かったかコーダでもTbを中心に豪快な鳴りで盛り上がりました。

 スダーンには何の根拠も無く精緻な音のイメージを(勝手に)持ってましたが、寧ろ剛毅な感じの音でした。

 前半ダン・タイ・ソンのアンコールで既にフライング拍手があったので、後半のブルックナーもダメだろうなあ、と思っていたら案の定、最後の1音が鳴りきるやいなや、その余韻が全く聴こえないタイミングで拍手が起きていました(笑)。

 ミューザの最安席ではなるべく3階の脇を選んでいるためか、Pブロックに座ったのは久し振り、今日だけなのか、いつもなのか分かりませんが、3階正面奥にあるコントロールブースっぽいスペースのガラス窓から、何度も赤いフラッシュがこっちに向かって光るため、集中しにくいことこの上なし、ちょうど赤目防止フラッシュを派手にした感じの光です。

 頭にきて途中から数え始めたんですが、第1楽章の途中から数えて30回余、第1楽章後半と第2,3楽章は止んで「終わったか」と思ったら終楽章にまたフラッシュスタート、フォルテシモの部分を中心に32回光りました。一体何なんでしょう?テレビカメラが入っていたことと関係あるんでしょうか? ともあれ勘弁して欲しかったです。

 今夜はフジで極真の全日本大会の放送があるので楽しみ、昨日は12chで新極真会の全日本を観られたし、まだ地上波は格闘技を見限った訳では無いようです。

2010年11月24日水曜日

ゲルギエフ&LSOのマーラー1番+神Tpの運命の力

この日は朝の冷え込みは甘めでよく晴れた日中は平年並み、早朝職場へ、それから地元の警察署へ行き免許の更新、その後横浜に出向いて講義、更に夕方は大宮に遠征してコンサート、と忙しい一日でした。

 久々に行ったソニックシティで聴いたのはゲルギー&LSOのマーラー1番、ゲルギエフのマーラーは何度か聴いており、(期待値が高いせいか)余り感心したことが無いのですが、LSOとのコンビでは初めてなのでそれなりに楽しみでした。

 また、さすがマーラーイヤーというべきか、原典版を含めるとこれで今年11度目の1番です。 

11月24日(水) 大宮ソニックシティ
 ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン響 ヴェルディ 運命の力、シベリウス Vn協奏曲、マーラー Sym1番
オケは弦バスが左端にくる対向配置、思ったよりあっさり系だった最初の運命の力、テンポが上がってコーダへと進む直前、Tpが主要テーマを朗々と吹く部分があるんですが、通常は途中からオクターブ下げるところを、下げずにオクターブ上のままで吹いた(しかもB管!)のには唖然、初めて聴きました、ここがぶっちぎりで本日の個人的ハイライトでした。続いてはゲルギーには珍しいシベリウス、濃紺のドレスに身を包んだソリスト諏訪内晶子はアンコールにバッハのしみじみ系を披露。
 後半のマーラーでは内声や対旋律の強調、緩徐部での濃いめの表情など所々にゲルギー節は聴けましたが、全体的にはアクは中庸か薄め、オケは縦の線が余り揃わず大雑把な印象、弦の音量はここ数年と同様ぼちぼち、要所でティンパニの叩きっぷりが爽快、ブラスの鳴りはTpを筆頭にまずまずでした。第3楽章冒頭の弦バスはハーディング&スウェーデン放響と同じく新全集版なのかユニゾン、先日のメータIPOと同様後列にずらっと並んだHrは8本、クライマックスではチョン&東フィルオラモ&RストックホルムPOと同じでタイミングを遅らせて起立してました。アンコールはハンガリー舞曲の有名どころを一気呵成に。

 個人的注目の女性Tb奏者は前半が1stで後半が1stアシ、そのアシを活用して終楽章のミュート着脱早業ファンファーレ部分ではミュート担当とオープン担当で完全分業制でした。

 昼は生協食堂でSライスボタンを押した積りがLライスを押してしまい、開演前はソニック近くのとんこつラーメン+替玉を食したのに、会場で知人に遭遇して終演後一緒につけめんの店を訪問、体重増加が心配です。

2010年11月21日日曜日

ヤンソンス&コンセルトヘボウのマーラー3番

 チョン&東フィルのブルックナー8番を聴いた後、コンセルトヘボウの3番は聴きたいけれど券は無し、でも渋谷から川崎はそう遠くないし、と「チケット売ります/買います」状況を様子見するべく夕方ミューザへ盲進。

 観察の結果「売ります」の人は高い席ばかり、そしてやはり「買います」の人の方が多く、それに加わる根性も出ず、そろそろ帰ろうか、と思っていたところで知人と遭遇、「折角ですから挑戦なさっては」とマジックまで出して勇気付けてくれたので、遅ればせながら「チケット求む」立ちんぼに参戦することに。

 何人か声を掛けていただきましたが、自分の予算で買える最安席9000円は無く、何度も断っているうちに、10年程前、アバド&BPOのやはりマーラー3番で同様にサントリー前で立ちんぼしつつ、高い席の申し出を断るだけで終わった空しい記憶が甦ってきました。

 とそこへ、上品な感じの女性二人連れから「どうせ余って無駄にしてしまうので、よろしければ。お金は要りません」とS席29000円!が差し出され、お言葉に甘えることに、しかも場所は3階正面最前列!(ミューザは4階は遠いけれど3階はそこそこ近い)

 たぶん席は並びだろうから、お礼(と言っても気持ちだけですが…)は席に着いてからゆっくり、と思っていたらお二人は全く違う場所だったらしく、その後会えずじまい。十分にお礼の言葉もお伝え出来ず済みません、本当に有難うございました!

11月21日(土) ミューザ川崎
 マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管 マーラー Sym3番
弦は音域順に並ぶ通常配置、Tb,Tpの左に9本ずらっと並んだHrが壮観、女声合唱は正面奥、児童合唱は左手奥、その前方にソリスト、アンナ・ラーション(で、デカイ…)が第1楽章後に登場、舞台裏のポストホルンは前半が右袖、後半が左袖と移動する趣向、Tpっぽい音でしたがカーテンコールではバルブ付きのポストホルンを手にしてました。オケは序盤のTpソロのミスからやや連鎖反応を起こしてました(神っぽかったHrトップまで!)が、まあそれなり、ただコンセルトヘボウにしては弦が伸びと厚みに欠ける感じ、まあ、来日の度にそう書いてる(2006/12/32008/11/11)のでそれが本来のキャラかも。楽想によって棒の有無を使い分けるヤンソンスは時折楽譜に無い強弱を付けつつも基本は無難でアクの無い表現、終楽章クライマックス前の弱音コラールではTp、Tb共にミュート代りに黒い布をベルにかぶせて吹いていたのが印象的、その後のクライマックスではそれまで不満だった弦が鳴ってなかなかの高揚感、そしてラスト1音はかなり長めでした。

 同じコンセルトヘボウとの3番だと、完成度では8年前のシャイーの時に及びませんが、前半楽章の楽しげな表情と終楽章ラストの高揚感なら上だったかも、ただ、コンセルトヘボウでマーラーをやればこの位は当然、という演奏と感じました。

チョン&東フィルの豊麗ブルックナー8番

午前テニス、午後はオーチャードでチョン&東フィルによるブルックナー8番の豊麗な音の奔流を浴び、ミューザへ移動、そこで出会った知人の助けを借りて「チケット求む」作戦を敢行、何とS席(29000円!)をただで下さった方のお陰でコンセルトヘボウの3番を楽しんできたところ、これらの感想は明日また改めて。本当に有難うございました!

<続き>
 この日はまずまずのテニス日和、午前中は久我山で練習、気温は平年より高いとはいえ、日が翳ると寒かったです。

 午後は渋谷へ出てオーチャードへ、チョンの振るブルックナーです。オーチャードホールでブルックナーと言えば、チェリビダッゲ&シュトゥットガルト放響(ミュンヘンフィルだったかも)で聴いた8番、これが初めてのブルックナーで(たぶん)初めてのオーチャード、3階最後列だったのに、壮絶な音の大伽藍にただただ圧倒されました。音のスケールは先日書いたオーマンディ&フィラデルフィア、ショルティ&シカゴ響に続くもので、しばらくはオーチャードが音の飛んでこないホールだと知らなかった程(笑)です。

11月21日(土) オーチャードホール
 チョン・ミュンフン指揮東フィル ブルックナー Sym8番
Hrが左奥に9本(うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)、チョンは標準かやや速めのテンポ、終楽章では少しケレン味ある表現が増えた感はありましたが、基本は余り細工せず一筆書きでどんどん進む印象、最初からオケの鳴りが尋常で無く、これで持つの?と思ってましたが、終楽章になっても衰え知らず、Tpなどコーダの吹きっぷりは壮絶、弦も本数が多め(弦バス12本!)なのかピラミッド型サウンドで分厚い響き、東フィルでこれだけデカイ音を聴いたのは初めてにして、オーチャード3階最後列で音の奔流に呑み込まれるのもチェリ以来の体験でした。ただ豊麗な反面、縦の揃いなどは悪く透明感は低め、ともあれ、ブルックナー好きは眉をひそめそうですが、個人的には大満足の豪演でした。あと第3楽章冒頭、弦バスだけ一瞬先に出るサウンドが印象的。

 サントリーで同じ公演(19日)を聴いた知人によるとそれ程の鳴りではなかったとのこと、ホールによって変えているのか、席位置にもよるのか、はたまた自分の耳が壊れているのか…。

 この後、ヤンソンス6コンセルトヘボウの3番を現地入手すべくミューザへ、この続きは次の記事で。

2010年11月20日土曜日

シュテンツ&N響の豪快2番

朝は雲がちで半ズボンでは寒く、そのまま東京に出て青山霊園近くのコートで練習、テニスするうちそこそこの晴れ間が出て気温も15度を軽く超して高め、

 テニスの後はシュテンツ指揮する「復活」を聴くべく、青山から代々木まで歩いてNHKホールへ、ただここは苦手なのでなるべく避けており、数日前までは当日の流れと気分で聴くかどうか決めよう、と思ってました。

 ただ、奇特な知人からチケットをいただき参戦決定、しかも昨夜FMで聴いてそのクライマックスの豪快な金管に期待は高まり、現地に来て「当日券無し」の掲示を見て友人に感謝感謝です。

 シュテンツのマーラーはいくつかライブ盤が出てますが録音だけして積読、いや積録状態、当然生は初めてです。

11月20日(土) NHKホール
 マルクス・シュテンツ指揮N響 マーラー Sym2番
200人もの合唱が最初から座れるスペースがあるのがさすが巨大ホール、オケは2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置(たぶん)、舞台上にはHr7本にTpが6本、両脇に配したティンパニはどちらも音程がイマイチ、第1楽章後に指定の5分より短いにせよ3、4分の小休止、シュテンツは台を降りて2ndVnの後ろに座り、その間ソリスト2名が舞台前方へ入場、前のお客さんの頭でシュテンツの指揮ぶりは全く見えませんでしたが、多分オーソドックス、音としては細部に拘らない割にテンポのメリハリがあり、タメやパウゼが長めで芝居っ気あり、特に終楽章前半の行進曲の開始を告げるパーカッションのpppからfffへのクレッシェンドが30秒以上掛ける未曽有の長さ!(FMで確認したところ、1度目は50秒弱!2度目が5秒)驚愕です。バンダはHr4本(スキンヘッドはハミルかも)が巨大ホールを利してすごく遠くから、4本のTpは四方に散っていたかも、そのバンダが加わってHr11本、Tp10本となったクライマックス、特にHrのベタ吹きがド迫力、そして最後の1音も長ーく大見得切っての大団円。NHKホールだけに憶測ですが、ブラスは過去最高クラスの迫力だったと推定されます。

 明日はチョン&東フィルのブルックナー8番、その後ミューザに移動してコンセルトヘボウの「チケット買います」作戦をやるかどうかは未定。

2010年11月6日土曜日

メータ&IPOの1番、ハルサイ

 この日はコンサートを3つハシゴ、まずトリフォニーでメッツマッハー&新日の6番を聴き、続いて芸劇で高関&桐朋の「英雄の生涯」、その終演後の拍手酣なうちに恵比寿へダッシュし、サークルのOB会へ。そこで腹ごしらえすること僅か15分、次は最終目標上野へ。

 聴いたのはメータ&IPOのマーラー1番、過去このコンビで6番と7番を聴いてますが、メータは煽ったり粘ったりせず基本オケ任せで、本来下品な筈のマーラーがお上品になっている点と、決して(売りの)弦を消さない程度しかブラスを吹かさない点が不満でした。オケはべらぼうに巧いんですが。

11月6日(土) 東京文化会館
 ズービン・メータ指揮イスラエル・フィル ストラヴィンスキー 春の祭典、マーラー Sym1番
 オケは対向配置、そして8本のHrが木管の後方、Tp,Tbの前にズラッと横1列に並んでます。前半のハルサイはIPOらしくまろやかな音色で野蛮さは微塵も無く、チェロを筆頭に弦に存在感があるハルサイは初めて、完成度の高い立派な演奏ではありました。
 後半のマーラー、テンポは標準的、アクの無いお上品な表現は前と同じ、第1楽章のリピート省略はナイス、「花の章」付きだったのにはビックリ、弦バスソロがマーラーの意図通り下手っぽく弾いたのは見事、(前もそうだった気がしますが)何故かノンヴィヴラート系のHrは全員バカウマ、クライマックスでは補助のTp&Tbともども起立せず、2組のティンパニの右側奏者がケレン味ある激しい叩きっぷり、ブラスも終盤少しだけハジけて、IPOで初めて少しお上品さを欠く表現が聴けて嬉しかったです。アンコールはJ.シュトラウスのワルツ「ウィーン気質」を瀟洒に、次の楽譜を出す団員もいましたが、ここで終了。

 終楽章のミュート着脱早業が必要なTpとTbのファンファーレでは完全にミュートを省略してました。近年こうやってサボる人が増えた気がする…。

 因みにこの日聴いた3つのオケ、全てが弦バスが左奥にくる対向配置でした。

反則VnソロのR.シュトラウス - 高関&桐朋学園オケの英雄の生涯

終演後まだ拍手が盛大なうちに池袋へダッシュ、芸劇で音楽大学オーケストラフェスが1時間遅れで始まっており、その後半だけでも、という目論見、前半の秋山&洗足音大「火の鳥」は逃しましたが、後半の高関&桐朋「英雄の生涯」には間に合いました。

 この日はコンサートを3つハシゴ、まずトリフォニーでメッツマッハー&新日の6番を聴き、それが終わるや否やまだ拍手が盛大なうちに芸劇へダッシュ、音楽大学オーケストラ・フェスティバルの初日です。総武線→丸の内線と乗り継ぎぴったり30分で池袋に到着、ちょうど前半の秋山&洗足音大の「火の鳥」の大団円でした。

 前半に一度休憩が入ったらしく、余裕で後半の桐朋学園に間に合ったのは予想外、そして休憩時に出会った知人に「コンミスが南紫音」と教えられてビックリ!大学オケと言うよりは、サイトウキネンに加わってる方が相応しいのに。

11月6日(土) 芸術劇場
 高関健指揮桐朋学園オーケストラ R.シュトラウス 英雄の生涯
オケは対向配置、コンミスの南紫音は4年前に見た時に比べるとすっかり大人になってます。さすがにソロは上手、パート全体でもVnがよく鳴ってました。ブラスでは11本!も集めたHrが豪快に鳴り、バストロが存在感たっぷり、全体でもまずまずの迫力でした。戦を告げる舞台裏Tpのファンファーレ、1回目はミュート、2回目はオープンという趣向が印象的。この後すぐに移動したのでアンコールの有無は不明。

メッツマッハー&新日の堂々6番

朝の冷え込みはやや甘くなったとは言えそれでも5度割れ、いつも通り早起きして薄着(日中暖かくなることを見越して半ズボンにTシャツ+ジャケット)で都心へ、期待通り20度前後まで上がってぽかぽかテニスを満喫。

 昼過ぎテニスを早めに上がり都心を横断し錦糸町へ、メッツマッハー&新日の6番です。彼を聴くのは初めて、と言うか、ディスクやFMライブも印象に無く、何となく現代音楽が得意そう、という印象の他は、どんな音楽をするのか、というイメージもありません。

11月6日(土)  すみだトリフォニー
 インゴ・メッツマッハー指揮新日フィル マーラー Sym6番
中間楽章は従来順、しかも2-4楽章をほぼ続けて演奏、メッツマッハーは指揮棒を使わず、静と動の対比を強く取る表現、音量だけでなく、静かな部軍は停滞し、激しい部分は推進する印象です。第2楽章では特に闊達な部分は速く、緩徐部分はゆっくりの傾向が顕著、表情まで指示してゆったり歌った第3楽章がなかなか、オケではチューバとハープに存在感、全体でも弦がよく鳴り、ブラスも9本揃えたHrを筆頭にしっかり鳴って雄大な音場が聴けました。ハンマーは2度、大きな木槌で板をぶっ叩くスタイル。拍手もそこそこに芸劇に向かったのでアンコールの有無は不明、無かったとは思いますが。

 "現代音楽得意そう"(ギーレンっぽいイメージ?)という勝手な先入観から即物的なマーラーを想像してましたが、思ったより色々やっていて楽しみました。

2010年11月5日金曜日

ギャルドのダフクロ、ボレロ

 昨夜の日本シリーズ中継の千葉テレで盛んに流れていた「東京ドイツ村」のCM、でも場所は袖ヶ浦、って木更津の近く? ディズニーランドも真っ青の誇大インフレ命名にしばし唖然。

 連日の冬型晴れ、昨日同様朝は冷え込んで2度、ただ日中は18度まで上昇、構内の紫ムクゲ(フヨウ)も気が付けば1輪しか花が残ってません。

 夜はギャルドの2日目、個人的注目はダフニスとクロエ、と言うのもこの曲の吹奏楽版には2つの思い出があるから。

 まずブラスで全日本を目指していた中学時代、全国大会で出雲一中(たぶん)演奏する同曲のレコードを聴いて「これが同じ中学生か…」と呆れたこと。

 次は大学の頃、ブラス時代の先輩属する国立音大ブラスオルケスターの定演で聴いた同曲、クライマックスでの耳を聾する大音響は、先日書いたオーマンディ&フィラデルフィアに匹敵する迫力でした。しかもその時指揮していたのは奇しくもギャルドの常任だったロジェ・ブートリーでした。

11月5日(金) 芸術劇場
 フランソワ・ブーランジェ指揮パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 バーンスタイン キャンディード序曲、ハチャトゥリャン 仮面舞踏会、剣の舞、レズギンカ、ラヴェル ダフニスとクロエ、ボレロ
 最初のキャンディードは弾(ハジ)け方が足りない印象、その後に縦揺れ地震が来てビックリ、地震に慣れている我々よりも怖い筈なのにOb奏者が大袈裟なヴィヴラート音出しのお茶目っぷり。次の仮面舞踏会はまろやか系サウンド、続く剣の舞、レズギンカは、パーカッションソロに石川直をフィーチャー、大小9個のドラムを半円に並べて叩き通し、それを消さぬ配慮か、激しい曲なのにオケは抑え目。
 後半のお目当てダフクロではFlに女性エキストラ1名、"夜明け"の頂点部では今回唯一ともいえる巨大な音場が現出、この瞬間が今回2度の公演での白眉かも、と言うのも"全員の踊り"ではぼちぼち程度の迫力だったから。続いて再び石川直がステージ前に加わったボレロ、Tbソロは無難、終盤のTpはピッコロ使用、ラストの迫力はぼちぼち。
 アンコールは4曲!まず石川直が鐘の様な音のする特殊ドラムでアクロバットを披露、続いて先週と同じく熊蜂の飛行、次にブラスが活躍する活発な曲(作曲者不詳)、最後に観客の手拍子を交えラデツキー行進曲、Hrの起立パフォーマンス付きでした。

 明日はメッツマッハー&新日の6番メータ&IPOの1番とマーラー連投です!