2011年10月25日火曜日

短編の名手の粋 - ジャック・リッチー「クライム・マシン」

 曇り時々晴れ、朝の冷え込みも無くポカポカ感あり最高24.8度と夏日まであと僅か、プチ学会と雑用および接待が重なり、2kmほど離れた研究所と職場との間を自転車で3往復も(しかも背広で)させられました。

 その道すがら色とりどりのサザンカが一杯咲いてました。

 本日は先日読了した本から、このミス2005年度第1位に輝く短編集、ただ文庫化に当たり収録作に増減、と言うか微増&大幅減(涙)があるようです。

 大半の作品は雑誌掲載時に読んでいる筈なのですが、そこはボケ老人、殆ど覚えておらず、お陰で楽しく読めました。

クライム・マシン ジャック・リッチー
 さすがは短編の名手、どれも巧いですが、同傾向の作品が並んでしまうため一気に読むとサプライズが減ずるのが難点、そのせいもあってか、巻頭に配された、タイムマシンを使って得たと称するネタで殺人者が強請られる表題作が1番印象的でした。

2011年10月23日日曜日

セミ鳴く夏日の噴水とシベリウス - 江上孝則&エルムの鐘交響楽団

 下世話な話で恐縮ですが、今朝のおしっこがちょー長く、そのタイム、何と150秒!(概算)、勿論新記録、だと思うのですが、ボケ老人ゆえ忘れてるだけかもしれないので、こうやって日記に記録しときます。

 朝は曇り、気温は高めだった昨日より更に高く最低が20度台、ただ「余裕で夏日に」との予報程には上がらず最高は24.7度、それでも午後から陽が射してきてポカポカ感あり、半袖半ズボンには嬉しい限り、また東京はしっかり25度超でした。

 朝から東京に出て教え子の団体戦の応援、何とコート脇でセミが1匹鳴きました。正午前には勝利を確定し、心置きなくアマオケを聴きに中野へ。

 このオケを聴くのは1昨年春のシベ5に続き2度目、今回もメインはシベリウスながら7番です。

 ただシベリウスに関しては自分は未熟者ゆえ6番や7番を味わう境地に達しておらず、通常なら参戦しないところですが、前座に「ローマの噴水」をやること、更にその前座にバーバー「管弦楽のためのエッセイNo.1」があるのが参戦の動機、特に後者はセル&COのかっこいいライブをFM横浜で聴いて以来、1度は実演で聴いてみたかった曲です。

10月23日(日) なかのZERO
 江上孝則指揮エルムの鐘交響楽団 バーバー 管弦楽のためのエッセイ第1番、レスピーギ ローマの噴水、シベリウス 鶴のいる情景、Sym7番
 最初期待のバーバーでは弦セクションがまずまずの響き、ブラスはやや不安定ながら及第点のサウンド、続くレスピーギでは電子オルガンが加わったトレヴィの泉がブラスも鳴ってなかなかの迫力。後半はシベリウス、まず鶴のいる情景、次いで7番をしみじみと、後者のTbの響きがなかなかでした。でも済みません、7番の真ん中辺りでは意識を失ってました、未熟者です。アンコールもシベリウス、じゃなくてレスピーギ!「古代舞曲とアリア」からイタリアーノでした。

2011年10月22日土曜日

Z席のサロメ - ラルフ・ヴァイケルト&東フィル

 久々に夢を見ました、しかも鮮明なやつ(YA)。

 朝からの雨、ただ今後は快方に向かうらしいし東京は違うかも、とますはテニス道具を取りに職場へ、その時はやや強め程度の降りだったのに、そこから最寄り駅へ向かう際は土砂降り、傘さし自転車1キロ余の道のりで荷物も含めてずぶ濡れになりました(涙)。

 東京に着いても雨上がっておらず、練習はもとより、その後応援に出向く筈だった教え子の団体戦も中止、いきなり夜の宴会まで暇になり、試しに新国に寄って「サロメ」最終日のZ席に並んでみました。

 新国のZ席(1500円)と言えば以前「軍人たち」の時に1度トライして敗北、もうやめよう、と思った経緯あり。

 また最近はZ席のWEB抽選なるものも始まったと聞き、実は今回の「サロメ」で初めてトライすれど余裕で落選。そのWEBの分Z席の当日売りは少なくなっていることが予想され、並んでも無駄だろうなあ、と新国に着いたのは朝9時頃、それなりに並んでらっしゃいます。

 販売開始の10分位前に「本日のZ席の枚数は26枚です、これから人数を数えます。」と1名ずつカウント、ドキドキしながら待っていると、なんと自分が26人目!ラッキーです。

 その後先頭から1人ずつ席を選ぶことなく指定されたチケットを受け取ってゆき、自分の10人ほど前からは席番を読み上げる声が聞こえ、全員が4階LかRの1列目、つまり舞台の脇だけれど通常のD席より舞台に近く、かつ横向き1列しかないので身を乗り出してもOKそうな席、座ってみたかった場所です!

 しかーし!何故か自分だけはL3列の3番と言われ、サイド席初体験はならず、でも生まれて初めてのZ席GETはちょっと嬉しいです。

 ところで新国「サロメ」は既に2008年に1度観ているし、更にその前にも1度観ている気もするのにまた参戦したのは、ひとえにR.シュトラウスが好きだから、じゃなくて(笑)、Youtubeで見たボローニャでの7つのヴェールの踊りを見る限り、今回のタイトルロールのエリカ・ズンネガルドは新国サロメ史上最も細身(とは言っても相対的ですが)で踊り栄えがしそうだから。

 開演までは新国横の無線LANの入るマックに100円で数時間居座り、映画と舞台を数本ダウンロードしました。

10月22日(土) 新国立劇場
 ラルフ・ヴァイケルト&東フィル R.シュトラウス サロメ
4L3列3番(左端)に座ってみると舞台の右半分しか見えません(涙)、ただ中央寄りの1番の席が空席で2番の方が開幕と同時に1番へスライド、自分も真似して2番へスライド、何とか井戸は視界に入るようになりました。尾高忠明の代役ヴァイケルトは大人しめながら手堅い音作り、最終日のせいかオケも安定してます。少女っぽさを(頑張って)出していたズンネガルドは身体が(相対的に)細めで声も細め、それを考慮してか終盤ではオケも抑えめ、ただ最後の頂点など管弦楽だけの時はまずまずの迫力でした。お目当て7つのヴェールの踊りではオケもほのかな官能性があり、踊りがそれなりにサマになるズンネガルドは胸までの露出、やっとこのプロダクション当初の本来の演出に戻ったのは喜ばしい限りです。

 舞台が見辛い反面オケの右半分はそこそこ見えて、Tbが4本もいるなど編成の本数が多いのが印象的でした。

 明日はアマオケでローマの噴水とシベリウス7番です。

2011年10月16日日曜日

夏が戻った日のマーラーとスターウォーズ - 田部井剛&ザッツ管弦楽団のマーラー5番

 うーむ、フジがまたやらかしてくれました、昨日の体操世界選手権種目別、日本人の出ない種目(女子跳馬)を一切放送しない(結果のみ)という暴挙、く、狂ってます…。

 早朝に激しい雨を降らせた雲が低く垂れ込める中、東京に出て午前中は教え子の試合の応援、昼に向けて雲はすっかり消えて青空に、気温も高く最低20度台、最高28度弱は9月頭の値、湿度もあって梅雨の晴れ間に近い空気感でした。
 
 30度にあと0.3度まで迫った東京では一瞬夏が帰ってきた感がありましたが、さすがにセミの声は聞こえませんでした。

 応援は12時頃に切り上げ、午後はアマオケへ、初めて聴くオケで、10回記念でマーラーの大曲に挑んだとのこと。

10月16日(日) 文京シビックセンター
 田部井剛指揮ザッツ管弦楽団  ガーシュイン ラプソディー・イン・ブルー、マーラー Sym5番
前半ガーシュインは田部井氏の弾き振り、冒頭Clのグリッサンドはやはり難しいらしく、やり直していたのがご愛嬌、後半のマーラーのTpソロは線細め、ティンパニが小気味いい叩きっぷり、そしてHrソロが出色、Hrはパート全体でもよく鳴ってました。オケは全パートそこそこにまとまっており、弦もまずまずの鳴り、田部井氏の熱めの棒の下、第4楽章など情感豊か、終楽章クライマックスでは全ブラスしっかり鳴っての大団円でした。
 5番の後にはアンコールは無いかと思えば、Tp,Tb1名ずつ加入してヤル気満々、袖に引っ込んだ田部井氏がなっかなか出てこないなあ、と思ったらダースベイダーの扮装で登場し、赤く光る指揮棒で「スターウォーズ」のエンディングテーマ、Tp6、Tb4となったブラスが朗々と鳴り渡る快演でした。

 終演後一緒にラーメンを食べた後、連れが本郷3丁目の駅前で50-60円の缶飲料の自販機を発見、安さに感動して缶コーヒーを購入、サンガリアなど関西系メーカーでした、さすがは関西。

2011年10月13日木曜日

社会派倒叙+加賀自身の事件 - 東野圭吾「赤い指」

 昨日辺りからでしょうか、腰周りから太腿にかけてジンマシンが大発生中、最近食べたものか、実家の洗剤が合わなかったか、ともかく原因は謎。

 今日は先日の帰省の前に読んだミステリーから、東野作品の主要キャラの一人である加賀刑事物、東京への往復で一気に読める量(とリーダビリティ)でした。 

赤い指 東野圭吾
 今日的な子供・老人の問題を抱える家庭に突然起きた悪夢、その隠蔽工作に奔走する姿を倒叙形式で、次いでそれに対峙する加賀の捜査が同僚の視点で描かれます。ミステリー的にはそれ程でもありませんが、主たる事件に"加賀自身の事件"を絡めて感動を演出する巧さはさすが。一読短編ネタだな、と思ったら実際短編の長編化とのこと。

 先行して連ドラ化された「新参者」(こちらの方が時系列では後の作品)の番外編としてドラマ化されており、今年の正月に実家で録画しておいたものを今回の帰省時に視聴、「新参者」とのクロスオーバー部分?を除けばほぼ忠実な映像化、ぼちぼちの出来でした。

 どんどん映像化される東野作品、原作読んでから観よう、と文庫化を待っても、例えばブックオフでは100円棚に滅多に並ばない(東野圭吾、伊坂幸太郎、森博嗣など売れ線は100円にしないポリシー?)ので、なかなか入手し読んでから観る機会が訪れません。「流星の絆」「新参者」など録画したまんま溜まってます(涙)。

2011 小岩オープン2日目

 薄曇、気温はやや高め、本日も昨日同様東京に出て小岩オープンへ、ただ朝イチラウンドだったので休みを取らず参戦、2回戦予定通り0-6,1-6とさっくり負けて昼には職場復帰、本日のお小遣いは3100円。

2011年10月12日水曜日

2011 小岩オープン

 あーあ、昨夜の巨人vs.阪神、9回頭まで観て後ろ髪引かれつつ夜行バスに乗ったのですが、あれから藤川がサヨナラ食らったとは…。

 夜行バスは朝東京駅に到着、爽やかな秋晴れで気温は平年やや高め、その足で小岩オープンに参戦すべく新小岩の試合会場へ、1回戦大学生相手に6-3,6-4と珍しく、と言うかこと本選では今季初勝利、勝ちビビリして弱気になり最後は少しマクられる程の久しぶり。

 ここ数年書いてますが、本選で1度も勝てなくなったらテニスやめよう、と思っており、今年はずっと負け続け、よって最後の年と覚悟していただけに、首の皮1枚つながった感あり、来年も続けるかも。

 帰り道に通りがかった100円ショップで、TEA'S TEA NEWYORKブランドの見たことの無いミルクティーを発見、ジャンルが"乳飲料"とミルク分が多かったため、自分へのご褒美として購入しました。

 広口の金属ボトルなんですが、特に振った訳でもないのに蓋を捻ると同時に"プシュッ"と中から液体が噴出し、両手がびしょ濡れに、確かに上蓋には「噴き出すことが」という注意書きがありました、けれど出過ぎでしょう、振ってもいないのに。

 味はと言えば、砂糖以外に人口甘味料も少し入っている割にはそれを感じさせず、ぼちぼちでした。

2011年10月5日水曜日

パッパーノ&聖チェチーリア管のシェエラザード

朝から雲行き怪しく、昼前から雨、その後ずっと本格的に降り続けました。ちゃんと降ったのは台風以降2週間振り、ってことは秋雨の季節にしては雨が少なかったことになります。

 気温も低く終日10度台、ただこの日スタートする講義で横浜に出掛けていたため、日頃の半袖半ズボンでは無く背広、よって凍えずに済みました、びしょ濡れにはなったけど(笑)。

 講義の帰りは連日のオペラシティ詣で、聴いたのはパッパーノ&聖チェチーリア管のコンビです。ただこのコンビ、前回の来日時(巨人ローマの松)は4-5000円程度で聴けたのに、今回は最安8000円! ゲヴァントハウス管もそうでした(2011/3/4)が、この円高・ややデフレの時代に数年で2倍ってどういうこと! と招聘元の金銭感覚が理解不能で参戦予定無し。でしたが、節を折って(我ながら根性無し…)6千円台なら、とネットで漁って直前入手の飛び入り参加です。

10月5日(水) オペラシティ
 アントニオ・パッパーノ指揮ローマ・セント・チェチーリア管 プッチーニ 交響的前奏曲、ラフマニノフ PC2番、R=コルサコフ シェエラザード
 オケは対向配置、ただオケ脇3階Rからは右半分は見えずHr以外の金管はブラインド(涙)、最初はプッチーニ、前回のアンコール「マノン・レスコー」もそうでしたが、弦がうねり管が吼える圧倒的サウンド、縦の揃いは少々悪くとも音の奔流が凄いです。続くラフマニノフは熊の如きソリストのベレゾフスキーがオケと共に豪快、爆発的な拍手に応えて終楽章のラスト3分をもう1度、それでも拍手が治まる気配無く、おどけて最後の和音だけ弾いて見せてライトアップで強制終了。
 後半のシェエラザード、パッパーノはソロパートも含め細かく表情付けしていたのが印象的、第3楽章中間のマーチ風部分最初のClソロなど超ppp、オケはゴリゴリ感ある低弦など弦中心に厚みあるサウンド、表情豊かなVcソロ、Clを筆頭に達者な木管、繊細なHrソロ、そして愛嬌とケレン味たっぷり巨漢ティンパニ奏者が出色。かなり快速の終楽章クライマックスなど、ブラスは朗々としてますが爆発的なレベルにはならず。アンコールは「運命の力」を独特の節回しでメリハリたっぷり豪快サウンドで、次はあるの?と思えば団員はすぐに次の楽譜を出し音合わせまで始めてやる気満々、拍手が続く中パッパーノが歩きながら始めたのは定番「ウィリアム・テル」後半の有名部分、猛スピード一気呵成に走り切って終演でした。

 アンコール込みでハズレの無いこのコンビ、ヴェルディとプッチーニばかり聴いてみたい気がします、文句無く凄いでしょうから。