2015年12月7日月曜日

スターの逆転劇 - 連城三紀彦「流れ星と遊んだころ」

 大磯OPへの会場へは長旅、その往き返りに読んだのが実家のブックオフ100円棚で先日発見したこの本。

 このミス2003年度第9位にランクインした、著者としては比較的最近(「人間動物園」「造花の蜜」の間?)上梓された作品(書かれたのはその5-6年前)。

流れ星と遊んだころ 連城三紀彦
 権謀術数渦巻く芸能界で若きスターを世に出そうと一世一代の仕掛けをする男の物語、1人称と3人称が連続的に入れ替わる語り口、よって眉に唾して読み進むことになりますが、それでも著者独特の鮮やかな反転に驚かされるあたりははさすが、とは言え、全体としては著者の平均値をやや下回る印象、ま、連三紀の平均値が高過ぎるだけですが。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 1人称記述に関しても記述者の反転が仕込まれている訳ですが、「俺」と「私」の使い分け、とまでは行かないまでも、再読して「気付くべきだった…」と思わせる口調の違いが伏線として欲しかった気がします。自分が気付いてないだけかもしれませんが…。

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