2014年6月3日火曜日

ネゼ=セガン&フィラデルフィア管のマーラー1番と鳥肌アンコール

 朝の最低19度台と真夏の値、日中の最高は26.5度とぼちぼち程度ながら、夜気は夏の感じ、先週末帰省する前は25度に届かなかった部屋の温度が、戻ってからはずっと26度前後を記録してます。

 宿舎の8階エレベーター前に差し渡し10㎝以上はある巨大な白い蛾が、(たぶんご遺体なのですが)大の苦手ゆえ、1m迂回しました。
(↑翌朝にはその隣に10㎝弱の茶色い蛾も参入、こっちはご存命だったらしく夕方には姿を消してました。)

 ボールが取れない場所に転がって5分で終了(涙)した昼休みの壁打ちを除き、本日もずっと研究室の引っ越し準備、ただ5時少し前、整理・梱包に追われる同僚を尻目に、大手を振って東京へ。

 久々に聴くフィラデルフィアサウンド、最安10000円と最近流行りのアホ価格設定に一時はやめようかと思ったのですが、心優しい知人から最安席を回してもらっての出陣です。

 フィラデルフィア管はオーマンディ、ムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハで聴いてますが、オーマンディは別格、と言うか別次元のサウンド()で、自分の中ではオーマンディとそれ以外、といった分類です。

 だってオーマンディ&フィラデルフィアは自分が聴いたオケでは音のデカさがNo1!しかも第2位のショルティ&シカゴは風圧を感じるが如き音の塊が耳を撃つのでむべなるかな、なのですが、オーマンディはふわーっとソフトな音に包まれているうちに、それが天井しらずでただひたすら巨大になってゆく感じ、上手く表現出来ませんが、"いいたい砲台"(旧サイト)でこのコンビに関する同じ印象を上手く書いておられます。

 敢えて他の指揮者の印象を言うと、オーマンディのソフトでひたすら巨大なサウンドと比べて、ムーティはやや原色ストレート、サヴァリッシュはこじんまり(家庭交響曲なのに!)、エッシェンバッハはこのオケを乱す程のドライブ、って感じ。

 会場のサントリーはかなりの空席、特に1階席と2階センターは半分も入ってません。

 前後半ステージとも団員は舞台に先乗りして賑やかに音出ししながら開演を待つスタイル、破産してメンバーがかなり入れ替わってるのでは、と思いましたが、古参のメンバーもそこそこいるように見えます。

6月3日(火) サントリーホール
 ヤニク・ネゼ=セガン&フィラデルフィア管 モーツァルト Sym41番、マーラー Sym1番
 前半は苦手モーツァルトに耐える30分(笑)、弦は音域順に並ぶ小編成でコンマスは東洋人、1stVnの艶と伸びはそこそこながら、2ndVnやVlaが同じ位チャーミングな点がこの楽団っぽい感じ、木管も調和してなかなかの響き、ネゼ=セガンは芝居がかった仕草で大袈裟な表情付け、モーツァルトに相応しいかどうかは知りませんが。
 後半お待たせマーラーではTp5、Tb4、そしてHrは横にズラッと8本、Hr1stアシとTubaが女性です!Hr、Tp両トップはさすがの上手さ、またHr全体は要所でよく鳴ってましたが、ブラス全般やや抑えめ、特にくすんだ楽器使用のTpトップは最後まで本気出さず、一方迫力ある低弦中心に弦の鳴りのよさが特筆もの、ネゼ=セガンは要所でアクセントを強調すれど粘りもテンポの揺らしもほどほど、テンポ遅めの緩徐部がなかなかの美しさ、ベルアップは各自任せなのかかなり適当、第3楽章冒頭の弦バスはソロ(賛成!)、終楽章の激しさも弦中心、Hrが起立してしっかり吹いたラスト、最後は猛然とスピードアップしてのフィニッシュ。
 アンコールは(伝)バッハの有名な小フーガ、弱音の木管から始まってオケ全体へとド派手に広がるストコフスキー編、ラスト弦が轟然と鳴り、ブラスがもわーっとかぶさる壮大なサウンドには鳥肌、これが今夜の(個人的)白眉。ディスクでは分からなかったストコのバッハ編曲モノの凄さを初めて思い知りました。

 Pブロックからはよく見えませんでしたが、個人的注目の終楽章ミュート早業ファンファーレはアシと完全分業だった感じ。

 サウンド的にはムーティ時代に近い印象、ただアンコールでの弦管のバランスはオーマンディに近いものも感じました。ストコ編曲モノに関してはスタイルが確立してるのかも。

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